石川遼、寅さんに捧ぐ“虎”退治！

プロ初戦を終えた男子プロゴルフの石川遼（１６）＝パナソニック＝が１２日、全日空機でハワイから帰国。１１日に９２歳で亡くなった「日本プロゴルフ界の父」と言われた中村寅吉さんのように、世界の頂点を狙うことを誓った。約２６万円の初の獲得賞金は、高校１年生が持てる額ではないとして、家族に預けることになった。

　石川が２１世紀の寅さんになる。ピンクのトレーナーにジーパンというラフな格好で成田へ降り立った１６歳はキッパリと言い切った。「日本のゴルフを有名にしてくれた方。できる限り自分もそうなりたい」と世界の頂点に立った中村さんのような飛躍を誓った。

　寅さんの愛称で親しまれた中村氏は、１９５７年に国別対抗戦Ｗ杯の前身で、日本初開催となったカナダカップ（埼玉・霞ケ関ＣＣ）で、サム・スニード（米国）やゲーリー・プレーヤー（南アフリカ）ら世界の強豪を相手に団体、個人戦で優勝。また国内でも通算３７勝（公式戦１７勝）と一時代を築いた。

　「失礼ですが、なかなか活躍を知る機会がなかった。でもＷ杯で優勝されたんですよね」１６歳の石川は当然、全盛期を見ることはできなかったが、それでも２０歳でマスターズ制覇、打倒・タイガー・ウッズ（米国）を掲げるだけに、中村さんの偉業の大きさは十分実感する。「世界を目指している？　もちろんです」と第２の寅さんになって、“虎退治”を達成させるつもりだ。

　２６万円のプロ初賞金はあこがれのタイガー・ウッズのデビュー戦とほぼ同額。考えもしなかった偶然に「そうなんですか」と目を丸くした。しかし、使い道は「友達にお土産を買ったくらい。２５万円と言われると怖くて、いらなくなっちゃう」と家族に管理を任せることを決めた。

　プロ２戦を振り返り「すべてが順調にいっている。でも調子が良くない日が続くことを想定しながら無駄のないようにしたい」と気を引き締めた。「もっとレベルを上げていかないといけない」。世界を視野に入れる１６歳が偉大な先輩の背中を追う。

参照元：スポーツ報知