石井を研究してもムダ！金メダルへ「技のデパート」化…柔道五輪代表合宿

日本柔道最重量級のホープ、石井が難攻不落の要塞（ようさい）と化す。北京五輪男子日本代表が１５日、東京・北区のナショナル・トレーニングセンターで合宿を公開し、右足親指負傷から復帰した１００キロ超級・石井慧（２１）＝国士大＝もチームに合流。体落としや大内刈りなどの得意技に加え、新たに背負い投げもマスターし「相手は研究不可能」と豪語するなど、金メダルへの必勝パターンを確立した。

　石井が“金メダルへの道”を見いだした。６月下旬、右足親指の開放性脱臼のけがを負い、代表チーム合流は今合宿からとなったが「今はもう絶好調」。回復ぶりをアピールするかのように精力的にけいこをこなした。

　新たに取り組む背負い投げは「これは武器です」と話す必殺技だ。本人は「詳しくはノーコメント」と詳細は明らかにしなかったが、斉藤仁監督（４７）は「大内刈り、大外刈り、内またがあるから背負い投げが効く」と証言。「秘中の秘」の最終兵器として準備する。

　一方で、これまでの得意技にも磨きをかける。相手が研究してくることも想定されるが「体落としを研究されても自分には大内刈りがある。大内刈りを警戒すれば、内またや体落とし。寝技も武器です」とニヤリ。石井によれば、それに背負い投げも加わり、研究すればするほど相手は“迷宮”に迷い込むという。「（世界王者・リネールのいる）フランスの監督も今ごろ頭を抱えてますよ」と高笑いが聞こえそうなほど、余裕たっぷりに話した。

　さらに研究家で知られる自身は、試合映像を繰り返しチェックしライバルたちを丸裸に。自信を裏付けるように「電車の中で毎日のようにしている」というイメージトレーニングでは「絶対に勝つ」とあらゆる相手に連戦連勝。「斉藤監督にほめられるイメージもある」ほど、勝利のシミュレーションは完ぺきだ。

　けがの間はウエートなどのトレーニングをこなし、体重は１１３キロと３か月で約６キロ増。さらに「走るのは速くなった」と俊敏性が高まる“相乗効果”もあったといい、自信は深まるばかりだ。

　◇石井のライバル　昨年の世界選手権１００キロ超級優勝のリネール（フランス）は２メートルを超える長身選手でライバルの筆頭。さらに、同級準優勝のトメノフ（ロシア）も技巧派で手ごわい相手だ。そのほか、無差別級世界２位のリュバク（ベラルーシ）、同３位のタングリエフ（ウズベキスタン）も侮れない。

参照元：スポーツ報知