元日本水連委員が断言！北島は全身ＬＺＲ着用で世界新へ一直線だ！！

北京五輪競泳男子平泳ぎ代表の北島康介（２５）＝日本コカ・コーラ＝の泳法解析を約７年にわたって手がけ、０４年アテネ五輪の２冠をサポートした河合正治・元日本水泳連盟競泳委員（６３）が１５日、北島の五輪連続２冠を予言した。北島の泳ぎを解析し、本番で英スピード社の高速水着「レーザー・レーサー（ＬＺＲ）」の全身を覆うタイプを着て上半身の抵抗を減らせば、驚異的な世界新での２冠Ｖ２を達成できると断言。百メートルは５８秒台、二百メートルは２分５秒台の可能性もあるという。

　今季、個人種目で２７個の世界新を生んだＬＺＲの抵抗排除機能が、北島を人類初の高みへと導く。河合氏は北京での北島の記録について「午前決勝（１１時開始）はそんなに影響ない。百メートルは５９秒０から５８秒台。二百メートルは２分６秒前半から２分５秒台」と予測した。いずれも大幅な世界記録更新となるが、ひとつだけ条件がある。「全身を覆うＬＺＲを着ること」だ。

　北島、全身のＬＺＲを着たフェルプス（米国）などの水中映像を分析した河合氏は、３つのパターンで説明した。〈１〉０１年世界水泳で、国内メーカーのひざ上水着を着た北島〈２〉今年６月のジャパンオープンで、下半身だけのＬＺＲで世界新を出した北島〈３〉０７年世界水泳二百メートルバタフライで、全身を覆ったＬＺＲと同等水着を着て世界新を出したフェルプス（米国）。いずれもストリームライン姿勢のものだ。

　「〈１〉から〈２〉。〈２〉から〈３〉と、お尻や胸の出っ張りがなくなり、体が一直線になって水中抵抗が減っている」ＬＺＲの特徴は、姿勢を維持するための極度の締めつけ。進行方向への体の体積を少なくし、抵抗を削減する。

河合氏は〈２〉と〈３〉を比べ「全身型の方が背中がピンと伸びて、お尻の出っ張りが７センチ減る」と推測。抵抗値を流体解析し「お尻が７センチ出っ張ると、抵抗は２・１３倍になる。その出っ張りがなくなればその分、エネルギー消費が減り、力を温存できる」と指摘した。さらに「〈３〉のように胸の出っ張りも補正できれば、下半身だけのＬＺＲよりも２倍以上の抵抗削減が期待できる」と北島の“伸びシロ”を挙げた。

　従来、北島は腰からひざ上までの水着を愛用。今年６月、腰から足首までを覆うＬＺＲで、右肩痛を抱えたまま二百メートルで世界新を出し、五輪Ｖ２は濃厚だ。百メートルは今季、５９秒台が北島、世界記録保持者ハンセン（米国）を含め６人おり、大接戦の様相。ジャパンオープン五十メートルで北島は全身型ＬＺＲを試したが「首回りがきつい」と苦笑い。それでも「勝つためには着るべき」と河合氏。平泳ぎ前人未到の２大会連続２冠へ。省エネ泳法で一直線に行き着くか。

　◆河合　正治（かわい・まさはる）１９４４年８月２８日、北九州市生まれ。６３歳。小倉高から東工大理学部を経て、精密機械メーカーのニコンに入社。エンジニアだった８９年、パンパシフィック選手権（東京）で泳法解析を開始。９０年から２００６年まで日本水泳連盟競泳委員を務めた。現在は東和通商顧問、工学博士。９２年バルセロナ五輪女子２００メートル平泳ぎ金メダルの岩崎恭子らを担当。北島が中学３年時から水中映像を駆使して泳法を解析。

参照元：スポーツ報知