琴欧洲２敗、綱取り消滅…大相撲名古屋場所３日目

◆大相撲名古屋場所３日目　○豊ノ島（すくい投げ）琴欧洲●（１５日・愛知県体育館）　大関・琴欧洲（２５）＝佐渡ケ嶽＝の綱取りは、わずか３日目で終わった。過去３連敗中の小結・豊ノ島（２５）＝時津風＝にすくい投げで敗れ、痛恨の２敗目。１４勝以上での優勝という昇格条件クリアは不可能となり、今場所の綱取りは消滅した。あまりのふがいなさに、北の湖理事長、審判部、さらには横綱・朝青龍（２７）＝高砂＝からもダメ出しされる始末。巻き返しどころか、勝ち越しすら危うくなってきた。

　豪快に散った。琴欧洲の綱取りはわずか３日で終わった。過去４勝３敗、３連敗中の苦手・豊ノ島戦。立ち合いで右上手を引いたが切られ、もろ差しを許す。強引に出ようとしたところを、１６９センチの小兵に左からすくわれ、２０２センチの巨体は裏返し。もろ差しから投げられる―これまでと同じ負けパターン。夢は砕け、背中に痛々しい擦り傷だけが残った。

　あまりに痛すぎる２敗目。ショックから支度部屋では目を閉じ、無言を貫いた。帰り際に「体が悪いわけではないのですか」との問いに少しだけうなずくと、足早に車に乗り込んだ。

　協会幹部からは、終戦を宣告された。先場所（１４勝１敗）以上の成績と内容を求めていた北の湖理事長（元横綱）は「３日目で２敗は厳しい。優勝も難しい。きょうの負けは大きく見られてもしようがない」とバッサリ。三保ケ関審判部副部長（元大関・増位山）は「上にあがるには苦手をつくってはダメ」と突き放した。

　さらに、取組前に「差されてもいい、とにかくまわしを取れ」とアドバイスを送ったという横綱・朝青龍からもダメ出し。「いつも同じ形で負ける。（番付の）下の者に４連敗。上の者としては恥ずかしい」あきれ顔で、ふがいない大関を責めた。

　今場所の綱取りは消滅。あとは、いかに来場所につなげられるかだ。横審の内規では昇進条件は「２場所連続優勝か、それに準ずる成績」。そのためには、とにかく踏みとどまるしかない。「せっかく先場所優勝したのだから来場所に生かさないと」と北の湖理事長。だが、現在の琴欧洲の精神状態では不安は大きい。先場所のような力強さと自信を取り戻さなければ、夢は振り出しに戻ってしまう。

参照元：スポーツ報知