石井、斉藤監督に柔道“卒業”ノルマ突きつけられた！

柔道全日本男子の斉藤仁監督（４７）は２１日、北京五輪男子１００キロ超級金メダリストで、プロ格闘家転向が確実視されている石井慧（２１）＝国士大＝に対し、「柔道王」としての転向を進言したことを明かした。２０日に石井と話し合いの場を持った斉藤監督は、来年４月２９日の全日本選手権（日本武道館）で連覇を達成してからの転向を提案。プロ入りへカウントダウン態勢に入っている現役金メダリストに最後の“条件”を突きつけた。

　プロ格闘技転向が取りざたされている石井に、恩師が“花道”を提示した。斉藤監督はこの日、世界ジュニア選手権（２３日開幕）視察のため、開催地のタイ・バンコクへ出発。成田空港で取材に応じ、石井との話し合いの内容を明かした。

　国士大のまな弟子でもある石井のプロ転向に関しては、容認する構えを見せている斉藤監督。石井とは前日に大学内で面会し「自分一人の力で全日本選手権を勝ってみろ。そこでチャンピオンになってから胸を張ってどこへでも行けばいい」と伝えたという。石井本人の転向の意思は固いとみられ、国内最高峰の大会を連覇し、せめてきれいに柔道界から“卒業”することを勧めた。

　石井は今月初めに行われた世界団体選手権を、けがを理由に出場“拒否”。斉藤監督は「負ける怖さもあったと思う」と指摘した。そのうえで「このまま（プロへ）行けば柔道界から逃げたと言われるかもしれない。全日本で勝ってからの方が本人のためにもなる」と親心も見せた。

　一方で、来年１月から世界ランキング制が導入されるなど柔道界は変革の時期を迎えている。今後も大会が続くこともあり、石井問題が長期化することは双方にとってマイナス。斉藤監督自身も任期満了により今月いっぱいで退任する予定で「次（のスタッフ）には問題を解決してバトンタッチしたい」と早期決着も見据えての“条件提示”となった。

　石井は話を黙って聞いていただけという。最近も国士大の練習には参加しており「どういうつもりかわからない」と同監督は本音もこぼした。大みそかプロデビューもささやかれる若き金メダリストは、このままリングに上がるのか、それとも畳の上で“ラストマッチ”を戦うのだろうか。

参照元：スポーツ報知