白鵬２敗死守！Ｖ争い単独トップ…大相撲秋場所

◆大相撲秋場所１３日目　○白鵬（巻き落とし）琴光喜●（２１日、両国国技館）　横綱・白鵬（２２）＝宮城野＝が優勝争いの単独トップに立った。新大関・琴光喜（３１）＝佐渡ケ嶽＝を巻き落としで破り、２敗をキープ。２敗で並んでいた新入幕の豪栄道（２１）＝境川＝は大関・千代大海（３１）＝九重＝に敗れ、３敗に後退。１４日目は２人が直接対決。横綱と新入幕力士が対戦するのは１２年ぶり史上９度（８人）目。優勝をかけてとなると初めてだが、綱の威信をかけ２１歳の若武者を迎え撃つ。

　一瞬に懸けた。右四つで押し込まれた土俵際。後がない白鵬は執念で、琴光喜を巻き落とした。「あせりました。相手が出てくるタイミングを狙った」わずかな勝機を逃さず２敗をキープ。単独トップに立ち、ホッとした表情を浮かべた。

　１４日目に実現した豪栄道戦。１９９５年名古屋場所２日目の横綱・貴乃花―土佐ノ海戦以来９例（８人）目となる横綱対新入幕の取組だ。ファンも喜ぶ“サプライズ”だったが「予想通り。もしかしたらとは思っていた。いい一番じゃないですか」とサラリと受け流した。白鵬２２歳。豪栄道２１歳。年齢は１歳しか変わらないが、横綱としてのプライドがある。「強さを見せる？　もちろん」絶対の自信をのぞかせた。

　優勝モードに入った白鵬に、うれしいプレゼントが用意された。横浜にある個人後援会から「心・蒼・鳳」の３文字を使った三つぞろいの化粧まわしを贈られることになった。心は「心技体すべて」、蒼は「強さや若さ」、鳳は「大きく羽ばたく不知火型」を意味する。文字は神奈川・横浜市にある總持寺の大道晃仙禅師（９０）が書いてくれたもの。朝青龍問題によってクローズアップされ、力士にとって一番大切な「心」を白鵬が着ける。

　残り２番。「プレッシャーはある」と白鵬は話したが、北の湖理事長は「明日（１４日目）は９対１で白鵬」と予想。勢いに乗る若武者を踏み台に、横綱初Ｖに王手をかける。

　◆過去の３文字化粧まわし　大鵬は政治家・大野伴睦氏が書いた心・技・体。吉葉山は日本画家・松林桂月氏の龍・松・竹。羽黒山は、陸軍大将・鈴木荘六氏の力・山・技。琴桜は鳥取県知事（当時）の努・力・誠。三重ノ海は先代・武蔵川親方である市川國一氏（元前頭出羽ノ花）の一・簣・功の化粧まわしを使用していた。

　◆ビリー隊長応援　フィットネスビデオ「ビリーズブートキャンプ」の大ヒットで有名になったビリー・ブランクス（５２）が観戦。「相撲が大好き」と話すビリー隊長は、打ち出し後に支度部屋で白鵬とがっちり握手し「横綱は目力がすごいね」と感動した様子。「相撲の動きはトレーニングに取り入れられる」と新たなトレを検討していた。

参照元：スポーツ報知