白鵬、逆転Ｖへ“鬼門”突破！両横綱マッチレース！…大相撲春場所１１日目

◆大相撲春場所１１日目　○白鵬（上手投げ）安馬●（１９日・大阪府立体育会館）　４連覇を目指す横綱・白鵬（２３）＝宮城野＝が鬼門を突破し逆転Ｖの道を切り開いた。３場所連続で負けている関脇・安馬（２３）＝伊勢ケ浜＝を必殺の左上手投げで破り１敗を死守した。全勝の横綱・朝青龍（２７）＝高砂＝も大関・千代大海（３１）＝九重＝を破り１１連勝。北の湖理事長は「優勝争いは両横綱に絞られた」と断言。歴史的な大一番となった先場所の千秋楽決戦再現へ青白両横綱がサバイバル戦へ突入だ。

　白鵬が、逆転Ｖへの“最大の鬼門”を突破した。３連敗中の安馬戦。立ち合いからもろ差しを許し、いきなりピンチ。勝機と見た安馬が、一気に寄ってくる。だが、ありったけの力を腕に込めると、伝家の宝刀・左上手投げ。苦手意識を吹き飛ばすかのように“天敵”を一回転させた。

　横綱が関脇以下の同一相手に４連敗以上喫したのは過去に１４例。今回も安馬の軍門に下れば、汚点を残すだけでなく、４連覇も遠のく可能性が高かった。うれしいはずの１０勝目だが、表情は変えない。「多少苦手意識はありましたけど。でもこれからが大切。早い段階（４日目）で１敗したけどよくここまできた」淡々と振り返り、気を引き締めた。

　口には出さないが、悔しさを胸に秘めていた。「負けた時のビデオは何回も見て研究していたよ」育ての親・熊ケ谷親方（元幕内・竹葉山）は、この一番に懸ける弟子の思いを代弁した。場所前には出げいこ先の立浪部屋で両者は激突。わずか３番の申し合いだったが全勝。「いいけいこができた」確かな自信を手に入れていた。熊ケ谷親方は「先場所までとは顔が違っていた」と、心の成長を感じ取っていた。

　優勝争いは全勝の朝青龍とのマッチレースの様相を呈してきた。北の湖理事長（元横綱）は「２人に絞られた。白鵬も朝青龍も崩れないだろう」と、両横綱が千秋楽まで勝ち続ける展開を予想した。「追う立場なので気楽にやるだけ」千秋楽の結びでライバルを下し、決定戦で逆転。白鵬の頭の中で、４連覇への青写真は出来ている。

参照元：スポーツ報知