球児４億円！イチロー、松井に並んだ２０代史上５人目

阪神・藤川球児投手（２８）が１６日、兵庫・西宮市内の球団事務所で契約更改交渉を行い、１億２０００万円増の年俸４億円で一発サインした。球団の生え抜き選手では、２００６年の今岡の３億３０００万円を超える史上最高額。２０歳代での４億円以上はプロ野球史上５人目で、アップ額も今オフ１２球団最高と、記録ずくめの更改となった。

　提示された金額に大きな満足感を味わったあと、チームを背負っていく責任感が強くわき上がってきた。「金額は十分すぎるくらいです」国内で、２０歳代での４億円以上は、イチロー（マリナーズ）、松井（ヤンキース）らに次いで５人目となるスピード出世だった。

　阪神の生え抜き選手として初めての大台。さらに、１億２０００万円のアップは、西武・中島の９０００万円を超える今オフの１２球団最高の増額だ。「期待の表れだと思います。重責を背負っていると思います」感謝の気持ちはファンの前で返すしかない。続けて口にした決意表明は、おのずと熱を帯びたものになった。

　「アスリートとしては、まだ見ぬところ（米国）でやってみたい気持ちもある。ただ、人間として、藤川球児としては、ジャイアンツに勝ちたい」

　昨オフにはポスティングシステム（入札制度）によるメジャー移籍志望を明言。くしくも、過去に２０歳代で年俸を４億円に乗せた４人は中村紀（楽天）、城島（マリナーズ）を含め全員が米大リーグへの移籍を経験している。だが「タイガースで、もう一度、ジャイアンツを倒して優勝したい」と、歴史的逆転Ｖを許した巨人へのライバル心が、今回の渡米を踏みとどまらせた。

　来季は久保田の先発転向が決定的で、チームのシンボルとも言えるＪＦＫが解体されることになる。しかし、守護神は「まだまだ可能性を持った選手たちがいる。発展的解散だと思う」と、若手投手が台頭し、投手陣を再編する契機となることを願っている。自身もさらなるレベルアップを求め、近日中に自主トレ先の米・ロサンゼルスへ渡る。絶対的なストッパーが、悲願達成に向けチームを先導する。

　◆阪神代表として全力でＷＢＣ　○…藤川は猛虎軍団の代表としてＷＢＣを戦うことを誓った。１５日に発表された日本代表１次候補に選ばれたのは、球団からは１人だけ。「タイガース・ファン全体の中で、１人。その責任は計り知れない」と、全力プレーを約束した。２００６年の第１回大会、今年の北京五輪に続く国際試合の舞台。「本当は逃げ出したいけど、逃げても人生のなんの得にもならない」と、こちらでも重圧に正面からぶつかる。

参照元：スポーツ報知