松坂３被弾ＫＯで６敗目

＜タイガース６－５レッドソックス＞◇８日（日本時間９日）◇コメリカパーク

　【デトロイト（米ミシガン州）８日（日本時間９日）＝山内崇章】レッドソックス松坂大輔投手（２６）が、昨年のア・リーグ王者タイガースにＫＯされた。前半戦最後の試合に先発し５回１０安打６失点、球数９０球で降板となった。メジャー移籍後では最多の３本塁打を浴び、６月１０日以来の黒星で６敗目を喫した。松坂は「制球力の問題」と次回以降の課題とした。前半戦は１８試合で１０勝６敗、防御率３・８４。収穫と課題を背負い、後半戦最初の登板となる１４日（同１５日）ブルージェイズ戦に臨む。

　気温３０度、午後１時すぎに始まったデーゲーム、回を追うごとに日差しが強まる過酷な条件。イニングの合間の松坂は、何度か氷袋を後頭部に当てて暑さをしのいだ。そんな環境の中でマウンドでは安定感を欠いた。バリテック捕手の要求するコースに制球できなかった。５回１０安打６失点ＫＯ。メジャー１８戦目で最多３本塁打を浴びた。

　松坂「確かに暑いとは思いましたが、それ自体は好きなほう。その影響はなかったと思います。むしろ日本ではもっと大変な状況で投げていましたから」。

　言い訳はしなかった。打たれた原因はハッキリしていた。だからこそ、試合後の松坂の表情にためらいも暗さもなかった。

　松坂「一番に言えることは、コントロールの問題です。うまく打たれたのもありましたが、全体的に打たれたボールは甘いコースに入っていた」。

　初回２死。３番シェフィールドに左翼席へ運ばれた。初球、真ん中高めに浮いた約１４６キロの速球だった。１点リード奪った直後の３回も直球の制球ミスが致命傷となった。１死からテムズに中越えソロを浴びた。真ん中やや低めの約１５１キロをすくわれた。さらに３回ギーエンの右越え２ランも高く甘く入った直球だった。

　タ軍とは前回５月１４日にも対戦。１失点でメジャー初完投を飾っていた。リーグトップのチーム打率２割９分を誇る強力打線。実力がある相手に力が発揮できる状態でなかった。この日の敗戦は当然の結果として受けとめるしかなかった。

　松坂「春先と違い、調子が上がっている。ただ、しっかりコースに投げていれば抑えられた。それができなかったのが敗因。こういう結果に終わった日は、こういう日もあると、いつも思っています」。

　慣れることから始まったメジャー挑戦の１年目。前半１８試合では「米国のボールとはこういうもの。滑るものは滑る」と割り切れるようになった。不安は解消されつつある。後半戦はリーグ優勝をかけた戦いが本格化する。１０個の白星を重ねた松坂だが、真価が問われるのはこれからだ。

参照元：nikkansports.com