松井がジャイアンツの４番…ボンズ後継者へ獲得打診

ジャイアンツがヤンキース・松井秀喜外野手（３３）獲得を打診していたことが６日、明らかになった。ニューヨークの複数メディアが報じたもので、退団が決まったバリー・ボンズ外野手（４３）の穴を埋めるのが狙い。メジャー最高打者の後任として４番に座る可能性もある。ヤ軍のキャッシュマンＧＭも打診の事実を認め、松井秀の動向から目が離せなくなってきた。

　通算７６２本塁打を放った強打者の穴を埋めるため、ジャイアンツは松井秀に白羽の矢を立てた。今季、主砲ボンズの退団が決定。ジ軍は同じ外野手で左の強打者が補強ポイントとなっている。本拠地のサンフランシスコを始め、西海岸でのゴジラ人気は高く、ジ軍関係者は「ポスト・ボンズ」として４番を任せる有力候補としている。

　ヤ軍のキャッシュマンＧＭは「いつもの通り、取引はすべて終わってからではないと話すことはできない」と複数の球団が松井秀に興味を持っていることを認め、このうちジ軍からはトレードを打診されていることをうかがわせた。ヤンキースは先発陣が不足しており、松井秀に見合う交換要員としてマット・ケイン投手（２３）やティム・リンスカム投手（２３）の名前が挙がっている。

　松井秀はヤ軍との契約条項にトレード拒否権を加えているが、ヤ軍は来季はジョニー・デイモン外野手（３４）を左翼に置く方針。ＤＨもジオンビーとの争いが必至で、ポジションも打順も確約されていない。レギュラーが保証されるジ軍への移籍が真実味を増すのは、こうした背景からだ。

　一方、今季の松井秀はチーム２位の２５本塁打、１０３打点をマーク。今オフには右ひざの内視鏡手術を受け、復帰へリハビリを続けている。ジ軍のサビーンＧＭは将来のエース候補であるリンスカムの放出を拒んでおり、交換条件が折り合わずに、トレードが決裂する可能性もある。

　ニューヨークでは松井の動向についての報道が日々、ヒートアップ。７日付の複数の地元紙の電子版でも、スポーツのトップニュースとして報道されている。「ニューズデー」では「松井は“売り”に出されるだろう」とヤンキースからの放出が秒読み段階に入っていることを示唆する内容の記事を掲載しており、ファンの関心は非常に高い。

　◆今季のジャイアンツの攻撃陣　今季、ナ・リーグ西地区の最下位に沈んだジャイアンツ。最多の本塁打を放ったのは４番に座った退団するボンズの２８本。２０本放ったチーム２位のフェリーズもＦＡで去就は未定。５番のクレスコもＦＡと、主力の流出が続くため、攻撃陣、それも主力級の補強が急務となっている。

　◆松井の移籍報道　米メディアが松井秀の移籍の可能性について報じたのは、今回が３度目。１度目はシーズン当初から低迷した２００５年の６月。ポサダらとともに名前が挙げられ「『彼らを放出すれば、若くて才能のある選手が取れる』と球団内で言われている」とニューヨーク・タイムズが報じた。２度目は今年の１１月。ツインズ・サンタナの獲得を目指すヤ軍が松井秀を交換要員としていると地元紙「ニューズデー」が報じた。トーレ前監督の信頼が厚く、加えて契約の中にトレード拒否条項が盛り込まれていることから、松井の移籍が話題に上がることは多くなかった。

参照元：スポーツ報知