朝青龍逆ギレ「反省」謝罪会見直後、報道陣に舌打ちにらみつけ

モンゴルに治療帰国していた横綱・朝青龍（２７）＝高砂＝が３０日、９３日ぶりに再来日。両国国技館でようやく謝罪会見を行った。７月２５日にモンゴルでサッカーに興じ仮病疑惑が発覚してから実に１２８日目の謝罪。会見では反省の言葉を繰り返したが会見後、報道陣をにらみつけるなど、逆ギレ状態。今後は２日から大分・豊後大野市で始まる冬巡業に参加し、来年初場所（２００８年１月１３日初日。両国国技館）での復帰を目指すが、品格ある横綱へ生まれ変わるには険しそうだ。

　謝罪会見が終わった直後だった。多くの報道陣が朝青龍を追いかける。横綱審議委員会の臨時会合へ向かうエレベーターに乗り込む直前だ。「チェッ！」舌打ちをしながら鋭い眼光で報道陣へにらみをきかせた。午後５時１８分から６時７分まで４９分間にわたって頭を下げ続けた謝罪会見。終了後に飛び出した逆ギレの態度が朝青龍が変わっていないことの証明だった。

　夏巡業を休場する診断書を提出しながらモンゴルでサッカーに興じる前代未聞の行為が発覚してから１２８日目に実現した謝罪の場は、「みなさまに長い間、ご迷惑をおかけし申し訳なく思います。これからは精いっぱい頑張りますのでよろしくお願いします」と頭を下げてスタート。２場所連続出場停止など厳罰を受けたショックから解離性障害という心の病を患い一切、口を開かなかった横綱。会見では終始、ふてぶてしさを残しながら自らの不始末を認めた。

　７月の帰国が師匠の高砂親方（元大関・朝潮）に届け出のない無断帰国だったことを明言。「心に甘さがあった。これからはしっかり報告します」腰と左ひじの負傷で診断書を出しながらサッカーに興じた仮病疑惑についても「自分がやってしまったことですから、そう言われても仕方のないことだと思います」と謝罪した。さらに８月に師匠から再三、会見を開く指示があったにもかかわらず応じなかったことは「あのときは何かを考えられる状態じゃなかった。ただ、出来の悪い息子で師匠に迷惑をかけた」。角界で絶対とされる師匠の命令にそむいたことも反省の姿勢を貫いた。

　今回だけでなく数々の問題を起こし続けた過去。「すべては自分のせい。これからは道に外れることのないよう考えて行動したい」と復帰する初場所から生まれ変わった朝青龍を見せることを約束。しかし、会見後に図らずも出た舌打ちとにらみからは新たに生まれ変わることへの多難さを象徴していた。

　今後は冬巡業に参加し初場所への復活を目指す。２１度の優勝で強さは証明している。足りない何かを探す旅に２７歳の朝青龍が出発する。

　◆巡業はフィーバー　朝青龍が公式行事に復帰する２日の大分・豊後大野巡業は、殺到する報道陣などを予想し警備員を２０人から２倍の４０人に増やすことを決めた。勧進元は「朝青龍関が正式に来日したことでファンや報道陣が多く来ることが予想されるための対策です」と説明。チケットも満員の３６００席のうち８割までが売れるなど好調で、朝青龍フィーバーが大分で吹き荒れそうだ。

　◆１日九州入り　朝青龍は謝罪会見を終えると都内の自宅マンションに戻った。１日は生前お世話になり、８月１４日に亡くなった元横綱・琴桜の鎌谷紀雄さんの霊前に線香を上げるため松戸市内の佐渡ケ嶽部屋を訪問する予定。その後、空路、九州に入り２日の巡業初日に備えることになる。

参照元：スポーツ報知