朝青龍会見も入院も拒否…高砂親方１時間４０分面会も成果なし

２場所出場停止などの厳罰から急性ストレス障害などと診断された横綱・朝青龍（２６）＝高砂＝の自宅を９日、師匠の高砂親方（元大関・朝潮）が処分決定後、２度目の訪問。記者会見を開かせようという交渉は約１時間４０分にわたったが、説得は失敗に終わった。それでも高砂親方は「前向きな考えを示してくれた」と、１０日以降も説得に出向く方針。師匠と弟子のせめぎ合いは、長期戦の様相を呈してきた。

　粘りに粘った話し合いは、実ることはなかった。約１時間４０分。苦笑いすら浮かべた高砂親方が口を開く。「今日は説得に失敗しました」。『記者会見→入院』の流れをつくるべく意気込んだ２度目の交渉。訪問前には「もう終わらせたい。本人もつらいと思うから。しっかり話すことができれば連れ出すよ」と自信を見せていたが、見事にはね返されてしまった。

　６日の訪問時より話せるようになったという朝青龍。高砂親方は「とりあえず記者会見を開こう。それから通院、入院をしようと言い続けた」と打開策を提案。だが、朝青龍は声を荒らげることはなかったが、「どうして？　なぜ？」と時折、涙ぐみながら拒否した。「朝青龍は、どうしてこんなになってしまったのか、というジレンマがあるのだろう」明確な答えを出せないまま、時間だけが過ぎてしまった。

　両国国技館内の日本相撲協会に１人で戻った親方は、北の湖理事長に報告。理事長は「治療に専念してほしい。とにかく師匠が気配りしてあげないと」とコメント。早期解決を望む理事長は、高砂親方の意向を尊重する考えで、自ら動くことはなく、師弟間で出す答えを認める方針だ。

　問題は泥沼化してきた。ここにきて協会幹部から高砂親方の指導力への批判が続出。処分が下った１日に、朝青龍に会見をさせ、早い段階で話し合いを持てば、事態はここまで大きくならずに済んだ可能性は高い。

　「モンゴル帰国はない。進退についても話していない。あしたも行くよ。本人も気持ちをぶつけてくれた。もうちょっとで出てきそうだ」手応えを口にする高砂親方。１０日も説得に出向くが、まったく先の見えぬまま事態は混迷が続きそうだ。

参照元：スポーツ報知