朝青龍、豊ノ島にまた荒げいこ！病院送りの恐怖再現

横綱・朝青龍（２７）＝高砂＝が１年前の恐怖を再現した。夏場所で２場所連続優勝を目指す朝青龍は２６日、東京・墨田区の井筒部屋へ出げいこ。昨年の夏場所前の出げいこで負傷させた西前頭５枚目の豊ノ島（２４）＝時津風＝と１年ぶりに申し合いを行い、強烈なダメ押しで上がり座敷まで吹っ飛ばす荒げいこを見せつけた。けがこそさせなかったが豊ノ島に「１年前を思い出しました」と恐怖心を植えつけることに成功。暴れん坊ぶりを加速させＶ２３への態勢を整える。

　土俵を覆う緊張の糸が一気に張りつめた。時津風一門の連合げいこに朝青龍が出現だ。今場所前、初の申し合い。１番目に豊真将を突き出した直後だ。因縁の豊ノ島を指名した。両者がけいこ場で顔を合わせるのは、朝青龍のダメ押しで豊ノ島が右ひざと足首のじん帯を痛めた昨年４月３０日以来１年ぶり。悪夢の再現か？　空気が重苦しい。

　緊迫の立ち合い。朝青龍は右から張って上手を引くと土俵際に追いつめた。最後は懸命に残る豊ノ島へ左のど輪で強烈なダメ押しだ。すさまじい一撃に１４６キロの豊ノ島が上がり座敷まで吹っ飛ばされ、尻もちをつくほどだった。昨年はあまりの荒げいこに当時の時津風親方（元小結・双津竜）が出げいこ拒否を予告するほどの騒動に発展。あれから１年。親方は序ノ口力士死亡事件で起訴され山本順一被告となったが、朝青龍は何も変わっていなかった。

　豊ノ島との申し合いは計３番。２、３番目はともに左下手投げで完勝。特に２番目に左ひざから崩れ落ちた豊ノ島には「ひざが入って去年を思い出しました」と悪夢がよみがえった。けいこ場で伸び盛りのホープに精神的なダメージを与えるのが朝青流。幸い負傷こそなかったが暴れん坊横綱の狙いは成功した。

　申し合いの１０番を全勝。左足ふくらはぎに故障を抱える横綱だが「思ったより動けた。けいこしながらペースを上げたい」と上機嫌。「上がるヤツは部屋関係なく声をかけていきたいからね」意欲みなぎる朝青龍がやはり、夏場所の主役だ。

　◆昨年の朝青龍ｖｓ豊ノ島　○…昨年４月３０日に時津風部屋に出げいこに行った朝青龍が、土俵際で豊ノ島を無理な体勢からひねり、豊ノ島は右ひざと足首の内側じん帯を負傷。全治２週間と診断された。当時の時津風親方が激怒。朝青龍の師匠・高砂親方（元大関・朝潮）が謝罪する騒動に発展した。両者は夏場所初日に対戦し、万全でない豊ノ島を朝青龍が押し倒した。

参照元：スポーツ報知