愛から３連勝！早矢香も春菜も一丸メダル…世界卓球第５日

　◆卓球世界選手権団体戦第５日（２８日、中国・広州）　女子準々決勝で、世界ランキング４位の日本（１次リーグＤ組１位）は同７位のハンガリー（Ｂ組２位）を３―０で下し４強進出。３位決定戦がないため４大会連続のメダルが確定した。日本は１番手で福原愛（１９）＝ＡＮＡ＝がフルゲームの末に勝ち、平野早矢香（２２）＝ミキハウス＝、福岡春菜（２４）＝中国電力＝が圧勝。勢いをつけて２９日の準決勝はシンガポール（Ｂ組１位）と対戦する。男子１次リーグＣ組１位と準々決勝進出を決めている日本はセルビアを３―１を下し、５戦全勝。２９日の準々決勝は台湾とデンマークの勝者と対戦する。

　また一つ階段を上った日本チームは、派手に喜ぶよりも静かに自信の笑みをたたえていた。メダル確保は当然と言わんばかり。最低限の目標クリアに、近藤欽司監督（６５）は「肩の荷が一つ下りたかな」とうなずいた。

　３―０。主役は愛ちゃんだけじゃない。それぞれが持ち味を発揮し、メダルへの道を切り開いた。１番手の福原はフォアの強打が思うように決まらず、緩急でトートを揺さぶる戦法に転換。フルゲームの末に粘り勝ちした。２番手の平野は打ち合いでも冷静に動きを読み、ポータをストレートで撃破。１次リーグから無傷の９戦全勝だ。

　前回大会も準々決勝はハンガリーが相手。だが、平野は控えでベンチから応援した。今回は「出られない人の分まで頑張ろうと思った」。１月の全日本選手権で通算４度目の頂点に立った女王は、マージャンで２０年間無敗の伝説を持つ桜井章一氏から勝負に対する考え方を学ぶなど、日本の大黒柱に成長した。

　福岡も“借り”を返した。前回大会のハンガリー戦は３―１でメダルを確定させたが、唯一の黒星は福岡が喫したラケット検査による失格負け。その試合は、福原が粘りの２勝を挙げて振り切った。そして今回、団結力の大事さを知る福岡は、得意の王子サーブで相手を切り崩し雪辱した。

　近藤監督が「言葉じゃなく、心の中でつながっている」というメンバーで、厚い壁に挑む。準決勝で世界ランキング２位のシンガポールを突破すれば、８３年以来の決勝進出だ。「日本の方が明らかに団結力は上なので、そこで勝負したい」と福原。過去３大会続いた銅メダルを、今度こそ違う色に変える。

参照元：スポーツ報知