天海、涙の微差判定Ｖ…ＷＢＡ女子世界Ｓフライ級

◆プロボクシングＷＢＡ女子世界スーパーフライ級タイトルマッチ（２６日・後楽園ホール）　同級１位の挑戦者・天海ツナミ（２４）＝山木＝が王者・張喜燕（２８）＝中国＝を２―１の判定で下し、女子プロボクシング公認後、初のＷＢＡ世界王座を獲得した。スピード、技術に勝る王者に強打で対抗。接戦をものにした。女子の世界王者はＷＢＣ世界ライトフライ級王者・富樫直美、同アトム級王者・小関桃に続き３人目。天海の戦績は１４勝５ＫＯ３敗（公認後は４勝１ＫＯ）。

　目には自然と涙があふれていた。祈るように待った判定の結果は２―１で天海。「勝ったか負けたか、まったく分からなかった」それくらい無我夢中だった。ボクシングを始めて４年。神村学園高時代、サッカーで全国の頂点に上り詰めたセンスと闘争心が、大舞台で花開いた。

　初回こそフットワークに苦しめられたが、打たれても打ち返し、逃げられてもひたすら追い続け「セコンドを信じ続けました」とボディーと左フックで徐々にペースを奪っていった。リングサイドで見守った母・加律子さん（４６）を始め姉、妹、弟ら家族６人も感激。最初は当然のように反対したという母も「いつも以上に力が入りました」と声援を送り、試合後は感涙を流した。

　２４歳の成長過程でつかんだ王座に「ベルトの重みを感じた。これからしっかりと防衛していきたい」と気を引き締めた。女子ボクシング界に生まれた３人目の世界王者は追われる立場になっても上を目指し、進化を続けていく。

　◆天海　ツナミ（てんかい・つなみ）本名・有馬真波。１９８４年８月１３日、沖縄生まれ。２４歳。鹿児島・神村学園高時代にサッカーで活躍し、２０歳で山木ジムに入門。日本ボクシングコミッション（ＪＢＣ）非公認時代の０５年６月にプロデビュー。昨年５月にはＪＢＣ非公認のＩＦＢＡバンタム級王座を獲得。身長１５９・７センチの右ボクサーファイター。

参照元：スポーツ報知