大田、非チャラ男宣言「巨人軍は紳士たれ」正力氏の遺訓を守る

　巨人のドラフト１位ルーキー・大田泰示内野手（１８）が１４日、“チャラ男”封印を宣言した。「日本を代表する球団なので、それに恥じない行動をしたい」と〈１〉まゆ毛は整えない〈２〉午後１１時就寝〈３〉短髪の３つを継続し、私生活から気を引き締めて野球だけに集中する考えを明かした。また、高校の卒業試験のため、２６日から宮崎で行われる合同自主トレには参加せず、３１日に宮崎入りすることも分かった。

　身も心もすっかり巨人の一員だ。今風の若者とは対照的な、さわやかな黒い短髪で、大田はプロの世界で戦う決意を語った。「一番印象に残っている言葉は、日本を代表する球団なので、それに恥じないような行動をするということです」１３、１４日と桃井球団社長らフロント幹部から巨人の選手としての心構えを説かれ、私生活から自分を律する覚悟ができた。

　自然なままのまゆ毛を触りながら、丁寧に報道陣の質問に答えた。「まゆ毛はそったことがないです。高校も禁止だったんで」最近、若者の間で主流の細いまゆ毛にも興味を示さない。東海大相模では寮生活だったが、部屋ではテレビ禁止。ストイックに３年間野球に打ち込んできた。打撃練習では規格外の打球を連発するなど豪快なイメージがあるが、グラウンド外では、まじめで謙虚。大田の体には、野球一筋の精神が染みついている。

　プロに入って新しく薄型液晶テレビを購入し、念願のマイテレビを手にしたが、規則正しい生活は変えるつもりはない。「夜は１１時くらいには寝てます。遅くまで起きてないでしっかりした生活習慣をつけたい」翌日の練習に備えて深夜番組を見ることもなく消灯する。「そういうところから、しっかりしていかないといけないじゃないですか」１８歳とは思えない発言に報道陣もうなずくしかなかった。

　髪形も短髪を続ける。「ずっと坊主なんです。派手にならないようにしたい」小学校の卒業式に一人だけ五厘刈りで出席し、周囲を驚かせて以来ずっと丸刈り。高校野球を離れて少し伸びたとはいえ今でも十分短いが「そろそろ切らないとダメですね」とさっぱりしたい様子。「おしゃれはしたい気持ちもあるけど、そんな余裕もない」１年目にソフトモヒカン、日焼けサロン通い、小遣い３０万円発言などで注目を集めた中田翔（日本ハム）とは正反対だ。

　２月１日のキャンプインを前に、宮崎でチームの合同自主トレがあるが、２７日から３０日まで高校の卒業試験のため大田は不参加。「寮でも（勉強を）やっていきます。自主トレに参加しないのは少し不安ですが、高校でしっかり練習していきます」まさに文武両道。野球だけでなく、人間的にもしっかりしている姿は、松井秀喜（現ヤンキース）をほうふつとさせる。背番号５５をグラウンドで輝かせるため、座右の銘「一日一生」の精神で、何事にも謙虚に取り組んでいく。

　◆巨人軍創設者・正力松太郎氏の遺訓　「巨人軍は常に紳士たれ」「巨人軍は常に強くあれ」「巨人軍はアメリカ野球に追いつき、そして追い越せ」の３か条を巨人軍憲章として残した。“球界の盟主”の進むべき理想として、引き継がれている。

参照元：スポーツ報知