愛超え天才少女！史上最年少８歳平野が勝った！…卓球全日本選手権

◆卓球全日本選手権第２日（１４日、東京体育館）　８歳のスーパー小学生が愛ちゃんを超えた。ジュニア（高校２年以下）女子１回戦で、山梨・田富北小２年生の平野美宇（平野卓研）が、宮城・利府高２年生の矢走江理（１７）に３―２で粘り勝った。２回戦で敗退したものの、１９９８年１２月に１０歳１か月で同部を準優勝した福原愛（２０）＝ＡＮＡ＝の大会最年少出場記録と同最年少勝利記録を大幅に塗り替えた。

　自らデザインした星やハート、キティちゃんなどをあしらったかわいらしいユニホームも、高さ７６センチの台からは胸より上しか見えない。身長１３１センチの小さな体から、平野は鋭いスマッシュや鮮やかなバックドライブを放ち、歴史を作った。

　矢走戦は序盤から相手をほんろうして２セットを連取。３、４セットはマッチポイントを握りながら逆転を許したが、第５セットに真価を発揮した。１―１の時、隣のコートのタイムの合図を勘違いしてプレーを止めたのをきっかけに、４連続失点。涙目に気づいたコーチで母の真理子さん（３９）がタイムを取り「０―０の気持ちで頑張りなさい」と励まし、一気に持ち直した。２度マッチポイントを握られながら、粘って１４―１２と逆転。最後にスマッシュを決めると、小さくガッツポーズした。

　８歳でジュニアの部を勝ったのは、１０歳だった１９９８年に初挑戦し、準優勝した福原を超える新記録。「この年齢で出場すること自体が初めて」と協会関係者も驚きの表情だ。２回戦の森田愛（１７）＝遊学館高２年＝戦は粘り及ばず１―３で敗れ「２回勝ちたかった。悔しいです」と話したが、止まらないフラッシュに「みんながいてうれしい」とあどけない笑顔を見せた。

両親は筑波大卓球部の男女主将を務めた同級生で、現在、内科医の父・光正さん（４０）はこの大会にも出場経験のある実力者だ。０３年に真理子さんが山梨・田富町（現・中央市）に卓球教室を開いた影響で３歳からラケットを握り始めた。「初めは私と離れたくない気持ちでやっていたようです」と真理子さん。毎日平均３時間の練習で力を付け、現在では小学生だけではなく、日本航空高や社会人のクラブチームにも“出げいこ”。今大会にも自ら出場を希望し、２度目の挑戦で本戦出場の切符をつかんだ。

　「今はフカヒレが食べたい」と大物ぶりを見せたスーパー小学生は、あこがれの人、福原の会見にも飛び入り参加。「いつかダブルス組んでくれますか」とお願いすると、福原も「もちろん」と笑顔で快諾した。将来の目標は「オリンピックで金メダル」。７年後か１１年後、大きな夢は必ずかなう。

　◆高２・矢走も脱帽「うまかった」　
  ○…平野に敗れた矢走は「雑誌とかテレビで知っていたので、緊張した。あんなに小さい子とはやったことなかったのでやりづらさがあった」と振り返った。５度のマッチポイントを許しながらセットを取り返すなど意地は見せたが、最後は先にマッチポイントを握りながら逆転負け。「サーブの速さは高校生と同じレベル。うまかったです」と脱帽した。

　◆平野美宇
  ▼生まれ　２０００年４月１４日、静岡・沼津市。８歳。名前は生まれた２０００年にスペースシャトル・エンデバーの打ち上げが成功したことに両親が感動し、命名。
  ▼卓球歴　３歳５か月から始め、０４年全日本選手権バンビ（小学２年生以下）の部に４歳２か月で最年少出場し、０７年に小学１年で優勝。０８年カブ（小学４年生以下）の部準優勝。
  ▼ドクター一家　父・光正さんは山梨大学付属病院で内科医。筑波大卒業後に宮崎医大に再入学し、医師免許を取った。祖父・光昭さん（７２）は山梨大学で数学の名誉教授。妹は２人で世和ちゃん（６）と亜子ちゃん（４）。
  ▼学校　真理子さんによると、成績はすべて「良い」。体育が得意で縄跳びのハヤブサ跳びは４０回以上跳べる。
  ▼福原との縁　０５年８月に全日本合宿中の福原と１セットの練習マッチで対戦。３―１１で敗れたが、それ以来の親交がある。０６年正月にはテレビ番組の企画で、ダブルスを組み、とんねるずに快勝した。
  ▼体　１３１センチ、２５キロ。足のサイズは２２・５センチ。

参照元：スポーツ報知