厚生年金の標準報酬改ざん１００万件超の可能性も

　厚生年金の算定基礎となる標準報酬月額の改ざん問題をめぐり、舛添要一厚生労働相は３日午前の閣議後の記者会見で、厚生年金の全オンライン記録約１億５０００万件のうち、標準報酬が５等級以上引き下げられている記録は７５万件に上ることを明らかにした。

　このほか標準報酬引き下げと同日か翌日に、厚生年金からの脱退処理が行われている記録が１５万６０００件、６か月以上さかのぼって記録が変更されているのが５３万３０００件あった。３つの条件のうち１つでも当てはまる記録を単純に合計すると１４３万９０００件に達する。このうち、社会保険庁が９月に改ざんの疑いがあるとして発表したこれら３条件すべてを満たした６万９０００件など、それぞれの重複分を除いても改ざんの疑いのある記録が１００万件を超す可能性も出てきた。改ざん被害を受けた人は将来受け取る年金額が減ることになる。

　社保庁は「３条件を満たしたものは改ざんの疑いが濃厚だが、１条件や２条件の中には適正に処理されたものも多いはずだ」と説明している。

　ただ舛添氏は会見で「３条件を満たさなくても改ざんの疑いはある」とも指摘した。

　社保庁は今月中旬から、改ざんの疑いが濃厚な６万９０００件のうち、すでに年金を受給している約２万人の戸別訪問を実施し、記録回復に取り組む。また厚生労働省は３日からホームページ上で改ざん問題についての情報提供を求める舛添厚労相あてのメールの受け付けを始めた。

参照元：スポーツ報知