北島、苦悩の２年契約…ロンドン五輪は白紙のまま

五輪競泳男子平泳ぎで２大会連続の２冠の北島康介（２６）が、日本コカ・コーラ社との所属契約を更新することが２９日、同社から発表された。ただ、来年３月末に切れる契約の延長期間は２年間で、２０１２年夏のロンドン五輪までは届かず。去就について北島も自身の公式サイトに「今はまだ、はっきりと将来のことを決められない」とコメントし、苦悩を表す発表となった。

　日本コカ・コーラ社はリリースで北島との所属契約更新で基本合意したと発表した。これまで通り、テレビＣＭなどの広告活動、小学生への水泳教室、次世代育成のための社会貢献活動などを共同で展開していくという。北島は同社と０５年４月に推定５億円で４年契約を結んだ。今回の契約金額は明かされていないが、関係者は「前回並み」と話しており、年間億単位の高額なものとみられる。

　旅行中の北島は同社を通じて「引き続き契約できて本当にうれしい。より一層、活動の幅を広げていきたい」とコメントを出した。だが、今回の契約期間は２年。五輪を一区切りとするアスリート、特に五輪を２連覇して目標はもはやＶ３しかない北島にしては不思議な契約だ。２年後の１０年は８月にパンパシフィック選手権（米国）、１１月にアジア大会（中国）が控える。北島は常々「五輪は特別な大会」と話しており、そこを目標に置くことは考えにくい。

　引退か。現役続行か。去就についての結論は出ていない。北島はこの日、自身のウェブサイトに「今はまだ、はっきりと将来のことを決められない」「もう少し時間をかけて考えてみたいと思ってます」と悩める胸の内をつづった。現役を続けるかどうか決まらない時点での異例な契約更新。北島のマネジメント会社関係者は「契約の内容は話せませんが、契約更新＝現役続行というわけではありません」と説明した。

　北島を中学２年から指導してきた日本代表・平井伯昌ヘッドコーチ（４５）は２週間前に本人と今後について話し合ったという。「やるかやらないかは本人任せ。４年間にらんでできるかどうか。１１月末にまた話をします」と明かした。日本最強スイマーの苦悩は続きそうだ。

参照元：スポーツ報知