俊輔、サウジの急所見破った

　【ハノイ（ベトナム）２３日】日本代表ＭＦ中村俊輔（２９）＝セルティック＝が、２５日のアジア杯準決勝で対戦するサウジアラビアＤＦ陣の急所を見破り、ピンポイントクロスでの攻略作戦を提案した。２０００年アジア杯レバノン大会決勝（１―０勝利）で、同じサウジアラビア相手に優勝アシストを決めた黄金の左足が、オシム・ジャパンを３大会連続の決勝に導く。

　ファンタジスタの目に見通せないものは何もなかった。運命の準決勝を２日後に控え、俊輔がサウジアラビアの致命的な急所を指摘した。

　「右サイドでボールを持ってクロスを上げる時に、相手（サウジＤＦ陣）はファーサイドをあまり見ていない」

　２２日深夜、ハノイ市内の宿舎で録画放送されたサウジ―ウズベキスタン戦を細かく分析。２３日の夜間練習出発前には、和田一郎スカウト担当が編集した特別版も再度チェックした。

　ＦＷ佐藤も「ＤＦ陣が組織立った守備をしていない。集中を欠く場面も多い」と語るように、敵はスピードあふれる攻撃陣と対照的に、守備陣のぜい弱性を露呈。俊輔は右サイドから創造性あふれる必殺の左足クロスを集中力の欠けたファーサイドに送り込み、得点を生み出すつもりだ。

　サウジアラビアは強豪だが、縁起のいい相手でもある。アジア杯での前回対決は、００年１０月２９日のレバノン大会決勝。俊輔は前半３０分、ＭＦ望月重良（当時京都）の決勝弾を左からのＦＫで見事にアシスト。トルシエ・ジャパンに初の栄冠をもたらした。「記憶にないね」と笑ったが、サウジキラーの左足には確かな感触が残っている。

　「そろそろセットプレー（ＳＰ）でみんなを楽にしたいね」２１日のオーストラリア戦後半には右ＣＫで絶妙クロスを放ち、ＤＦ中沢が惜しいヘッド弾を放った。「ボンバーはＣＫでファーに流れてばかりだった。ニアに来いといった。その１本が形になればいい」７年前の再現へ、ホットラインの仕込みはすでに万全。俊輔が左足で中東の雄を粉砕する。

参照元：スポーツ報知