中嶋一貴Ｆ１フル参戦…日本人親子初の快挙

日本人初の親子Ｆ１フル参戦が実現した。ウィリアムズ・トヨタは７日、今季の第３ドライバー、中嶋一貴（２２）を来季の正ドライバーに抜てきすると発表。日本人のＦ１フル参戦は歴代８人目となる。一貴の父はロータス、ティレルで活躍した悟さん（５４）で、日本人が親子でＦ１にフル参戦するのは初の快挙。チームは同時にニコ・ロズベルク（２２）の残留も明らかにし、中嶋と若手２世ドライバー同士でフレッシュコンビを組む。

　一貴に、ついに朗報が届いた。夢のＦ１フル参戦実現。しかもドライバー７回、車両製造者９回の王座獲得を誇る名門・ウィリアムズで日本人が正ドライバーになるのは初めて。「来年が楽しみです」と声を弾ませた。

　２００３年にフォーミュラカーレースに本格参戦してわずか６年目でＦ１。出世は順調に見えるが、本人は「短くもあり、長くもありました」と言う。０１年にはトヨタの若手育成部門、フォーミュラ・トヨタ・レーシングスクール（ＦＴＲＳ）の門を叩くが、「ごく普通の選手にしか見えなかった」（関谷正徳・ＦＴＲＳ校長）と落とされてしまう。しかし、それをバネにして翌年再受験し合格。「ものの考え方が別人になった」と関谷校長を驚かせたガッツの持ち主だ。

　父に対する思いにも「うれしいし光栄だけど、あまり気にせずレースに集中する」と強烈な自己主張が見え隠れする。悟さんは「とてもうれしく思っています。グランプリの一員になれるよう、頑張ってくれればと思っています」と祝福した。「父とはまだ同じ土俵に乗っただけですから」と一貴。父が成し得なかった表彰台、そして勝利こそが次の目標となる。

　◆中嶋　一貴（なかじま・かずき）１９８５年１月１１日、愛知・岡崎市生まれ。２２歳。日本人初のフル参戦ドライバー・中嶋悟さんの長男。０２年にフォーミュラ・トヨタ・レーシングスクールを受講。０３年、ＦＴ総合王座獲得。０４年、全日本Ｆ３に参戦し総合５位。０６年に渡欧、ユーロＦ３に参戦し総合７位。今年はＦ１の直下カテゴリー・ＧＰ２にも参戦し、５戦連続表彰台に上がるなど総合５位に入り最優秀新人に選出。１７３センチ、６２キロ。

参照元：スポーツ報知