魔裟斗圧勝！準決勝で佐藤と初激突…Ｋ―１

◆Ｋ―１　ＷＯＲＬＤ　ＭＡＸ　○魔裟斗（判定３―０）ドラゴ●（７日・日本武道館）　Ｋ―１　ＭＡＸのカリスマ、魔裟斗（２９）＝シルバーウルフ＝と日本人ＮＯ２、佐藤嘉洋（２７）＝フルキャスト＝の初対決が決勝大会（１０月１日・日本武道館）の準決勝でついに実現する。準々決勝が行われ、魔裟斗は難民出身のハングリーファイター、ドラゴ（２３）＝アルメニア＝に３―０の判定で圧勝。佐藤は元世界王者、ブアカーオ・ポー．プラムック（２６）＝タイ＝にＫＯ勝ち。難攻不落のタイ人王者にデビュー初の屈辱を味わわせて、悲願の魔裟斗超えに弾みをつけた。

　ファンも、本人たちも望んでいた日本人頂上決戦だ。メーンで、ドラゴに完勝した魔裟斗が、リング上でマイクを手に言った。「いやー、ついに来たね、佐藤選手。（準決勝で）ガチガチに倒し合おうよ。そしてオレは決勝でまたサワーと当たって今度は勝つ。ＭＡＸを盛り上げましょう！」１万１６１０人のファンからは大歓声。リング下で熱戦を見守っていた佐藤がリングに上がると、笑顔で迎え、握手して健闘を誓い合った。

　ドラゴをＫＯしたかった。セミファイナルでは、自分でさえＫＯできなかったブアカーオを、好敵手が鮮やかに屠（ほふ）った。出番直前で見られなかったが、空気で状況を把握。続かんばかりに開始ゴングと同時に速射砲のような連打。相手顔面を流血で真っ赤に染め上げた最終ラウンドまで勢いは止まらない。アルメニア難民だったハングリーファイターに精神力でしのがれてしまい「今日は倒せなかったからダメ」と振り返ったが、勝敗は明らかだった。

　フィジカル強化を請け負う土居進トレーナー（３７）は「エネルギーの出力を上げるための練習に重点を置いてきました」と説明。走り込み中心の肉体改造は昨年から開始したが、今年はパンチの爆発力を高めるための短距離走を重視。スタミナと、瞬発力ともに進化したことを証明してみせた。

　２週間のオフを利用して心夫人（２７）との待望の新婚旅行へ出かける予定。だが、８月からは伊豆合宿を開始して、決勝大会に備える。「お互いのプライドをかけた試合になると思う。でも、日本人対決で気が抜けちゃあね。目標は世界一なんで」２０代最後となるＭＡＸ決勝大会。２試合戦い抜いて、５年ぶりの頂点に立つことしか考えていない。

参照元：スポーツ報知