高原１トップ！オシム監督決心本番布陣

　◆アジア杯１次リーグＢ組　日本―カタール（９日、ミーディンスタジアム）　【ハノイ（ベトナム）７日】開幕戦は高原の１トップ―。日本代表は７日、試合会場となるミーディン競技場で公式練習を行い、９日の１次リーグ初戦、カタール戦に向けた戦術練習を実施。現地入り後初となるＦＷ高原直泰（２８）＝フランクフルト＝の１トップをテストした。先月のキリン杯、コロンビア戦に続き、２戦連続となるエースの１トップ布陣でカタールを撃破する。バンコクでのＡ組・タイ―イラク戦で、史上初の４か国共催大会は幕を開けた。

　ベトナム入り後、戦術を徹底的に隠してきたオシム監督が、ついに本番に向けた布陣の一端を披露した。変化があったのは攻撃陣。ＦＷは高原だけで、右に俊輔、左には山岸がウイング気味に配置された。先月のコロンビア戦に続く、１トップ。エースを前面に押し出す戦術をテストした。

　攻撃の核を任される高原に不安はない。「２トップに比べると負担がかかるけど、孤立しないようにやれれば。１トップだから前に張るというより、中盤の選手と同じような感じでパス交換しながらやりたい。最後の仕事をするときにゴール前にいればいい」とイメージを膨らませる。現在国際Ａマッチ１９得点で歴代７位。６位の中山雅史（磐田）の２１得点を追う。結果を出せば、大先輩の記録も塗り替えられる。

　受け身的な戦術を用いるオシム監督は４バックのカタール相手に、同システムのテストを敢行。守備をベースに考えた布陣だが、攻撃陣にも好影響を与えた。右ウイング気味に位置する俊輔は「この形が一番いい。今まではタカ（高原）しか起点がいなかった。オレもくさびに入ったり、裏に抜けたい」と話し、左ウイングの山岸に関しても「このメンバーの中で一番ダイナミックな選手。中に入って右足のシュートもある」と大きな信頼を寄せる。

　ＦＷ陣の責任を一身に背負う高原にも強い覚悟がある。今オフは数年ぶりに長期休養を取れるチャンスだったが、アジア杯参加を決断。０４年の前回大会は、アテネ五輪出場のため不参加が決まっていたが、その五輪は肺動脈血栓塞栓（そくせん）症のため欠場しており、悔しさもある。今合宿前は自主トレで体をいじめ抜き、代表に乗り込んできた。

　「大事な大会だし、厳しい環境の中で戦えれば自分たちの力になる」と高原。アジア杯はチーム最多タイの５得点を挙げた００年のレバノン大会以来。７年ぶりの大舞台に燃えないはずがない。本番では誰よりも速く、そして多くゴールをこじ開ける。

参照元：スポーツ報知