ノゲイラが移籍初戦を白星で飾る／ＵＦＣ

＜ＵＦＣ７３＞◇７日（日本時間８日）◇米カリフォルニア州サクラメント・アルコアリーナ◇観衆１万４７３１人

　【サクラメント（米カリフォルニア州）７日（日本時間８日）＝千歳香奈子通信員】ＰＲＩＤＥ初代ヘビー級王者のアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ（３１＝ブラジル）が、米国ＵＦＣデビュー戦を逆転勝ちで飾った。ヒース・ヒーリング（米国）のキックを浴びて初回にダウンを喫したが、２、３回は得意の寝技で追いつめ、３－０の判定で制した。ＵＦＣのダナ・ホワイト社長は、次戦にもヘビー級王座への挑戦をほのめかした。

　いきなりＵＦＣの洗礼を浴びた。１回終了３０秒前、相手の懐に飛び込むために腰をかがめたノゲイラの右側頭部に、ヒーリングの左ミドルキックが命中した。尻もちをつくダウン。それまで逃げていたヒーリングのパンチの嵐に襲われた。だが、ノゲイラは冷静だった。下から相手の左腕を取って寝技へ移行しかけると、過去ノゲイラに２戦２敗のヒーリングは危険を察知して離れた。

　２回以降はノゲイラが、底力を見せつけた。２回２分すぎにテークダウンを奪うと上からパンチの連打を浴びせた。さらに亀のように縮こまった相手の背後から、裸絞めを狙う。流れるような攻撃で相手は左目下から大量出血。３回には羽根折り固め、前方裸絞めを加え、相手に何もさせず逆転勝ち。「苦しい状況から立て直す練習も繰り返してきた成果」と胸を張った。

　ＰＲＩＤＥでのヒョードル、クロコップとの激戦が、この日の逆転劇につながっていた。０３年１１月のクロコップ戦では、口から流血しながら腕ひしぎ逆十字固めで大逆転。ヒョードルには２敗１無効試合ながら、強打を浴び続けても１度もＫＯ負けはしなかった。世界トップレベルのライバルとの激闘で、逆境で冷静に戦う精神力を身につけた。

　ダウンこそ喫したが、ＵＦＣで１勝１敗の中堅選手と実力の差を見せつけた。ＵＦＣのホワイト社長は「ヘビー級では世界一の選手。次は誰もが期待するようなビッグマッチを用意したい」と明言。８月２５日の王者クートゥア－挑戦者ゴンザガの同級タイトル戦の勝者に挑戦させる考えをほのめかした。

　こう着状態になるとブーイングを浴びせる、米国ファンの洗礼も浴びた。微妙な間、駆け引きを得意とするノゲイラには酷だが「観客の反応も違ったが楽しかった。良い試合ができたと思っている」とスタイルを変えるつもりもない。打撃隆盛のＵＦＣでも、ＰＲＩＤＥを制した寝技で２冠取りに挑む。

参照元：nikkansports.com