阿部、逆転２５号３ラン！２冠見えた！

◆巨人３―２阪神（７日・東京ドーム）　分厚い胸が誇らしげだった。「ちょっと詰まったけど、すごいうまく打てた」感触はいまひとつでも、打球はＧ党で埋めつくされた右翼席に飛び込んだ。恐るべきパワー。阿部は「どうだ」と言わんばかりの表情で、ダイヤモンドを一周した。

　先発・門倉をバットで助けた。１点を追う４回１死一、二塁。下柳の内角高めのシュートを振り切った。「ひじがたためている感じがあった」自画自賛の一撃は３試合ぶりの２５号３ラン。ひと振りでチームに勝利を呼び込み、原監督も「効果的な３点だった」とたたえた。

　７３打点となり、広島・新井を抜いてリーグトップに躍り出た。２５本塁打も小笠原と並びチームトップ・タイ。首位の中日・ウッズ（２７本）を猛追している。８月３日のヤクルト戦（神宮）で１試合２発を放って以来、２試合連続無安打だった。好不調の波を気にしないために、あえて新聞の打撃成績は見ないように心掛けた。「その場面に集中するだけです」邪念を捨て、無欲でバットを振った。

　先日、ヤンキース・松井からスーツが２着届いた。「もらっちゃいましたよ」関係者を通じてプレゼントされたのは、高級ブランド・アルマーニのスーツ。胸囲が同じサイズのため、ウエストや袖の長さを調整するだけで着られるのだ。阿部は今オフから本格的に取り組んだウエートトレの効果で、松井と並ぶ１２０センチの驚異的な胸囲を手に入れた。

　オフには必ず食事をするなど、２人の親交は深い。松井は今オフの阿部の結婚式にも出席した。大リーグ入りする前から「慎之助は将来、巨人のリーダーになれる存在だ」と言い続けてきた。期待に応える一発は、日本人初のメジャー１００号を放った先輩への祝砲にもなった。

　６連勝にも決して気を緩めなかった。「おごることなく１週間、頑張りたい」Ｖ戦線を占う大事な阪神、中日との６連戦。胸を張って松井にＶ奪回を報告するためにも、負けられない。

参照元：スポーツ報知