ウオッカ秋華賞目標に調整…凱旋門賞断念

 

右後肢の蹄球炎を発症して、凱旋門賞（１０月７日、仏ロンシャン競馬場）への出走が危惧（ぐ）されていた今年のダービー馬、ウオッカ（牝３歳、栗東・角居厩舎）は８日、正式に断念が発表された。患部はほぼ完治しており、秋華賞（１０月１４日、京都）を目標に調整を進めることになった。

　７日に蹄球炎発症を発表した同日夕、角居調教師は間髪を入れずに遠征中止を決めた。「撤退する勇気も必要。このまま向こう（フランス）に行けば、状態が悪くても使ってしまうことになりかねないですから」

　前日（７日）から引き運動を開始。凱旋門賞出走を前提とするなら、８日から乗り運動を行う必要があった。また、それが可能なほど患部はほぼ完治しているが、未練を断ち切った。

　谷水雄三オーナーは「非常に残念。来年の凱旋門賞でリベンジ？　正直、白紙です。実際に今回、検疫や向こうの受け入れ厩舎など想像以上に欧州への遠征が大変であることも分かった。今後のウオッカの競走成績にもよってくるとは思いますが、今は何も考えていません」と話した。

　トレーナーの視線は早くも新たな戦いに向けられていた。「桜花賞（２着）で負けたダイワスカーレットともう一度やってほしいと思われているんじゃないですか。秋華賞？　そうですね」とうなずいた。６４年ぶりに誕生した牝馬のダービー馬が秋競馬を盛り上げる。

参照元：スポーツ報知