闘莉王奇襲セット！豪州惑わす！！…１１日・オーストラリア戦

◆２０１０年南アＷ杯アジア最終予選　日本－オーストラリア（１１日・日産スタジアム）　打倒・オーストラリアは「アドリブ」だ。日本代表ＤＦ田中マルクス闘莉王（２７）＝浦和＝が８日、オーストラリア攻略は岡田武史監督（５２）が練り上げたセットプレーを“おとり”に、決勝弾を狙う考えを示した。「想定外がゴールを生む」と主張する闘将は、非公開練習のなか意外性のあるアドリブセットを準備。日豪両指揮官の予想を超越する連係プレーで、勝負を決める。腰に違和感を抱えていたＦＷ田中達也（２６）＝浦和＝は全メニューをこなし、この日、帰国したＭＦ稲本潤一（２９）＝フランクフルト＝も合流した。

　吹きすさぶ寒風をはね返すほどの熱さを、闘莉王は全身から放射した。「何を言われようとやるしかない。オーストラリアは力で圧倒しに来ると思うけど、それを押し返すぐらいじゃないといけない。オレらのホームだし、絶対に勝たないといけない」８日午後、非公開練習を終えた闘将はＡ組頂上決戦の必勝を誓った。敵将ピムの再三の挑発も無視。身長１９４センチのＦＷケネディら体格で勝るオージー軍団を叩きのめす気概を示した。

　勝算もある。岡田監督が完全非公開練習初日の７日、シート越しに練り上げたセットプレーだ。「相手も強いけど、うちもセットでゴールを決めてきた。どこに動くかみんなが理解してやるのもいい。でも、定番をおとりにして、違う形で狙うのもひとつの手。想定外がゴールを生む」と闘将は不敵な笑みを浮かべた。ピム監督が徹底分析した岡田監督の事前準備はあくまで“おとり”。最終予選無失点の強敵を破るのは当意即妙なアドリブだ。

　実績もある。昨年９月６日の最終予選敵地バーレーン戦の前半４３分、闘将はキッカー役の遠藤にささやいた。中沢とファーサイドに殺到したすきに、ニアサイドでフリーになった俊輔にパスを送ることを進言。味方、相手を陥れる絶妙な“アドリブ”が相手のハンドとＰＫを誘った。結果３―２で勝利した。「シュンさん（俊輔）とは話をしている。平面のスピードを生かすこと。ブロック作り、局面での駆け引きとか、細かいところまでね」正確無比な精度を誇る俊輔と、即興劇の土台づくりを進めている。

　「世界ベスト４の前にここで叩かないといけない」横浜決戦こそが岡田監督の掲げた、２０１０年Ｗ杯４強進出という野望達成の試金石となる。臨機応変な闘将が運命を決める。

参照元：スポーツ報知