長谷川 初米国トレ！念願本土進出へハワイで苦手克服

プロボクシングＷＢＣ世界バンタム級王者・長谷川穂積（２８）＝真正＝が来年１月に米ハワイで初の海外キャンプを行うことが１９日、明らかになった。悲願である米国進出を見据え決断した。３月にも同級１位の指名挑戦者ブシ・マリンガ（南アフリカ）を迎え撃つ日本ボクシング界のエースが、常夏の島でＶ８防衛へ向けた地獄の走り込みキャンプを決行する。

　日本のエースに成長した長谷川が０９年幕開けと同時に念願の米国進出へ、本格始動する。来年１月上旬から約１０日間の予定でハワイに渡ることを決断。これまでは国内でキャンプを張っていたが「海外が苦手な部分もあって、キャンプを機に克服するきっかけになればいいと思った」と、その理由を明かした。

　一石二鳥だ。寒い日本を飛び出し、常夏のハワイで体をつくれることはもちろん、米国進出へ向け、今春から勉強を積んできた語学力をアップさせるチャンスでもある。米国進出の際には、現地メディアに英語でインタビューの受け答えをすることを目標の一つとして掲げており「経験することが大事ですからね」と、これまでの成果も試すことができる。

　刺激的な環境も作った。キャンプには、来春の世界再挑戦を目指すＷＢＣ世界フェザー級３位の粟生隆寛（２４）＝帝拳＝の帯同が長谷川の呼びかけにより決定。さらには、１１月に２階級制覇を達成したばかりのＷＢＡ世界スーパーフェザー級王者のホルヘ・リナレス（２３）＝帝拳、ベネズエラ＝も駆けつけることになった。日本記録のＶ１３更新、そして２階級制覇を目指す王者が豪華メンバーと切磋琢磨（せっさたくま）する。

　地獄キャンプになりそうだ。師匠の真正ジム・山下正人会長（４６）は「地獄の走り込みになるでしょう。現地を見て、ハワイでしかできないトレーニングを考えています。今まで以上に、かなり走らせますよ」と話した。さらなる高みを目指す王者の辞書に、妥協の２文字は存在しない。Ｖ８防衛はもちろん、その先の大きな夢を追いかけ、長谷川が新年早々、海を渡る。

　◆合同トレ参加　粟生「刺激に」　
  ○…１０月に惜敗したＷＢＣ世界フェザー級王者オスカー・ラリオス（メキシコ）への再挑戦を目指す粟生も「刺激になります。体力をもっとつけて帰ってきたい」と長谷川との合同ハワイ合宿を歓迎した。初挑戦では４回にダウンを奪いながら、老獪（かい）な粘りの前に１―２の小差判定負け。ここぞで一気にたたみかけるなど勝負所を知るＶ７王者から、多くを学ぶ貴重な機会になりそうだ。

参照元：スポーツ報知