錦織勝ち初め！右ひざ不安なし…テニスツアー ブリスベーン国際

◆テニスツアー　ブリスベーン国際　第３日（６日、オーストラリア・ブリスベーン）　日本男子テニス界期待のホープ、錦織圭（１９）＝ソニー＝が今季初戦を圧勝で飾った。世界ランク６１位の錦織はシングルス１回戦で同６８位のボビー・レイノルズ（２６）＝米国＝を６―３、６―２のストレートで下した。昨季終盤の右ひざ故障から復活した錦織は第１セットから動きがよく、相手のミスを誘う余裕の試合運びで完勝。２回戦は昨年のジャパン・オープン覇者で、世界２０位の第５シード、トマーシュ・ベルディハ（２３）＝チェコ＝に挑む。

　錦織がたくましさを増してコートに帰ってきた。４強入りした昨年１０月のストックホルム・オープン以来３か月ぶりの実戦。「緊張していたけど、うまくゲームに入れた」今季初戦の重圧をはねのけ、２週間後に迫った初出場の全豪オープンへ最高のスタートを切った。

　レイノルズにはツアー初優勝した昨年２月のデルレービーチ国際準々決勝で勝っているが、その２週後のツアー予選で発熱のため途中棄権した時の相手でもある。「（棄権で）負けた記憶しかなくて、苦手な意識があった」というが、徐々にリズムをつかみ、第１セットは３―３から３ゲーム連取で主導権を握った。

　第２セットに入ると、課題の第１サーブの確率が４７％に落ちた。それでも３―１で迎えた第５ゲームはリターンエースを２度決めてブレークするなど見せ場を作った。「一番の武器のフォアが打てていないので、５０点くらい」と自己採点したが、わずか５９分で圧倒。「痛みはないが、違和感がある」という右ひざの不安も感じさせなかった。

　昨年はストックホルム・オープンで右ひざ痛を発症し、残り試合を欠場してシーズンを早く終えた。過密日程のツアーを戦い抜く体を作るため、オフの３か月は週２回のジム通いでベンチプレスやスクワットなど様々なトレーニングに挑戦。毎日３０分の走り込みも行い、徹底的に肉体改造した。

　昨年１１月には卓球の福原愛（２０）＝ＡＮＡ＝との初の交際報道もあったが、練習拠点の米フロリダで雑音を封印し、練習に打ち込んだ。注目選手としてプロテニス協会（ＡＴＰ）の公式サイトに取り上げられたインタビューでは「早くトップ５０になって、４大大会で良い結果を出したい」と０９年の抱負を語った。

　２回戦は７日夜に世界２０位で格上のベルディハと初対戦する。「すごくトップの選手なので、勝ち負けを気にせず楽しんでやれたらいい」と錦織。数々の記録を塗り替えてきたミラクルボーイから今年も目が離せない。

　◆錦織の今後の試合予定　今大会終了後はニュージーランドのオークランドへ移動し、１２日開幕のハイネケン・オープンに主催者推薦で出場。その後はオーストラリアへ戻り、メルボルンで１９日から始まる今季４大大会初戦の全豪オープン本戦に初出場。全豪後は米国に戻ってＳＡＰオープン（サンノゼ）に出場予定。３月６～８日に大阪なみはやドームで行われる男子国・地域別対抗戦、デ杯の対中国戦の日本代表候補にも選出されている。

参照元：スポーツ報知