遼５戦ぶり予選通過見えた！イーブン発進…ミズノ・ゴルフ

◆男子プロゴルフツアー　報知新聞社主催ミズノオープンよみうりクラシック第１日（１９日、兵庫・よみうりＧウエストＣ、パー７１）　石川遼（１６）＝パナソニック＝は４バーディー、２ボギー、１ダブルボギーの７１のイーブンでまわり、首位と４打差の４１位でスタート。出場４試合連続で予選落ちと苦しい戦いが続き、あこがれのタイガー・ウッズ（３２）＝米国＝の今季残り全試合欠場という悲しいニュースを受けながらも、ドライバーが復調し好発進した。首位には矢野東（３０）＝フリー＝ら４人が４アンダーで並んだ。

　日が傾き、とうとう泣き出した空の下で、石川には久々の笑顔が舞い戻った。「ドライバーのスイングが安定していた。自信を持ってスイングができました」イーブンパーで初日を終えたのは、４月のつるやオープン以来５試合ぶり。予選落ちした４戦はいずれもオーバーパー発進だっただけに、自然と表情は明るくなった。

　出だしの１０番から見せた。打ち下ろしの３４５ヤードパー４。アゲンストの風を切り裂き、グリーン右手前の花道まで到達。残り２５ヤードをサンドウエッジで寄せ、楽々のバーディー発進。これまでより５０ｃｃ小さい４００ｃｃの新ヘッドのドライバーが勢いを呼び、１番パー４でピン奥１・５メートルのパットを沈めると、一時は首位と１打差の３位まで浮上。パーオン率７２・２２は今季２番目の好記録。ダブルボギーを叩いた後半６番の第１打で左に曲げＯＢとなったが「（ミスは）ほとんど、あのひとつしかないと思う」と満足感を漂わせた。

　中日クラウンズから４試合連続で予選落ちし、５月は無給に終わった。精神的にも肉体的にも疲弊し、周囲も「いつもの旺盛な食欲が減った」と、こぼした。しかし、ツアーのなかったこの２週間は杉並学院高に通学する一方、日々練習場で３００球以上を打ち込んだ。ドライバーも十数本試し、再びスイングの構築を目指した。

　この日のスタート前に、ウッズの負傷による今季全試合欠場を耳にした。劇的優勝を飾った全米オープンを毎日テレビ観戦し、興奮を抑えきれずに今大会に臨んだだけに、ウッズの激闘に「それだけの時間を要するけがになってしまったんだと思う」と視線を落とす。今大会上位４人に与えられる全英オープン（７月１７～２０日・英ロイヤルバークデールＧＣ）出場権を手にして“対面”できるチャンスは残念ながらお預け。「どれだけ時間をかけても治してほしい。僕が一緒に回れようになるまで待っていてほしいと思う」と改めてあこがれの存在を強く感じた。

　第１ラウンド終了段階で１打差の１オーバーは５９位と、予選通過ライン（６０位タイ）は迫っているが「今週は通りそうな予感がします。大丈夫。まだ練習でやっていることの半分も出ていない」と“通過予告”も飛び出した。５戦ぶりの決勝ラウンド進出のイメージは既に描かれている。

参照元：スポーツ報知