遼、シンの“最年少優勝者対決”だ…三井住友ＶＩＳＡ太平洋マスターズ第３日

◆男子プロゴルフツアー　三井住友ＶＩＳＡ太平洋マスターズ第３日（１０日、静岡・太平洋Ｃ御殿場Ｃ、パー７２）　２８位から出た石川遼（１６）＝杉並学院高１年＝はパットに苦しみ、１バーディー、２ボギーの７３で通算２アンダー３６位に後退した。最終日は、１３歳でインドツアーを制した経験を持つ昨年の日本シリーズＪＴカップ覇者、ジーブ・ミルカ・シン（３６）＝インド＝との“最年少優勝者対決”に臨む。６９で回ったブレンダン・ジョーンズ（３２）が１２アンダーで単独首位、２打差２位はアダム・スコット（３１）とオーストラリア勢が続き、前日首位の谷口徹（３９）＝フリー＝は７４で９アンダー３位。

　石川が思わぬ“苦境”に陥った。最終日に同組で回るシンが、実は１３歳のアマだった１９８４年６月のインドツアー、北インドオープンで２位以下のプロに１０打差をつけて優勝したことを告白。それを聞き「まずいですね」と苦笑した。

　５月のマンシングウェアＫＳＢカップを、１５歳で制した快挙が世界最年少優勝としてギネスブックに認定され、５日に発売されたばかり。それを脅かす“真相発覚”だけに「インドツアーってことを強調してくださいね」と、日本や米、欧州など世界６大ツアーではないことを主張。ライバル心を燃やした。

　一方のシンは、今季は米、欧州ツアーを転戦。石川の存在を今大会まで知らなかった。「僕が勝ったのは小さいツアー。日本はもっと大きいツアーだし、１５歳で勝ったことはすごい」と素直に石川の偉業を認めた。

　石川は１６番で３４０ヤードを超えるビッグドライブを見せるなど、ショットは好調。しかし、グリーン上で苦しんだ。父・勝美さん（５０）は「１１番の３パットからおかしくなった。ラインより、右に出るようになった」と指摘。平均パットは２・００００で６１人中４７位だった。「パープレーで回りたかったけど、１オーバーになってしまった。このままでは終わりたくない」と悔しがった。

　シンは３週後の日本シリーズＪＴカップ（２９日～１２月２日、東京よみうりＣＣ、報知新聞社後援）に、前年優勝者として出場する。石川は「まんつよ（ものすごく強い）っていうイメージですよ」と、今でもテレビで見た強さが脳裏に焼き付いている。練習終了後にはクラブハウスで対面し「グッドラック」とエールを受けた。世界一を証明するためにも、「４日間で一番いいスコアを出したい」と意気込んだ。

参照元：スポーツ報知