石川遼、日本一へＷ新兵器…ゴルフ日本シリーズ２９日開幕

遼がＷ新兵器でシリーズへ挑む―。男子プロゴルフツアーの今季最終戦、日本シリーズＪＴカップ（報知新聞社主催）は２９日から４日間、東京よみうりＣＣ（７０１６ヤード、パー７０）で開催される。アマチュアとして初出場する石川遼（１６）＝杉並学院高１年＝は２６日、同コースで練習ラウンドを行い、新しいドライバーをテスト。さらに新キャディーの起用も決定し、“ダブル新兵器”投入で日本一決定戦に臨む。

　激動の１年の総決算に、石川が新たな武器を投入する。２４日、埼玉・秩父にあるシャフトメーカーのグラファイトデザイン社テストセンターを訪問し、１０種類以上のシャフト（ドライバー）を試打。スピン量などを計測、比較した中で「トップの切り返しのしなり方が合っている」と“相棒”を見つけ出した。

　これまでの石川のドライバーは、スピン量が通常のプロの平均の２３００回転（毎分）を上回る２５００回転ほどで、ボールが高く上がる反面、転がりが少なかった。が、ブリヂストンスポーツのヘッドに同社のプロトタイプを装着した新ドライバーは、２２００回転までに低下。この日の東京よみうりＣＣでの練習ラウンドに持参した石川は「（球筋が）低くなったことでアゲンストにも強い球になった」と効果を実感。２８日に再びテストして決めるが「振りやすい。（本番で）使う可能性は十分ある」と、新ドライバーで臨むことを示唆した。

　新パートナーも決まった。マンシングウェアＫＳＢカップでツアー優勝を果たして以来、キャディーを務めてきた塘田（とうだ）隼也さんが、１３日に負傷。帯同キャディーが不在だったが、父・勝美さん（５１）が石川が小学２年のときに一緒に練習していた加藤大幸（ひろゆき）さん（２４）に依頼、タッグを組むことが決まった。

　加藤さんは中央学大でゴルフ部に所属し、０３年には日本アマや日本オープンにも出場した腕前。その後、ゴルフ用品メーカーに就職し、石川とはツアーで再会。０４年の女子ツアー、プロミスレディスで横峯さくらのバッグを担いだ経験もあり、白羽の矢が立った。加藤さんは「選手がストレスがたまらないようにしたい」とバックアップを約束。「申し分ない。信頼もあるし、お父さんとも信頼関係がある」と石川も不安要素はない。

　この日の練習ではドライバーはほとんどフェアウエーをキープ、バーディーも２つ取ったが「ショットが納得いかない。体がリードしないといけないのに、腕から先に出ている」と、どん欲な姿勢を見せた。「自信を失うほどではない。グリーンはタッチだけしっかり合わせたい」と持ち前の笑顔を見せた石川。アマとして初めて名を刻む大舞台。２つの大きな武器を味方に活躍してみせる。

　◆シャフトをかえるメリットは　各人のスイングパターンが違うため、その人のスイングにあったシャフトを選ぶことで曲がらず、飛距離も伸ばすことが可能になる。石川が試しているグラファイトデザイン社の「Ｔｏｕｒ　ＡＤ」は男子プロでは、谷口徹、藤田寛之、宮本勝昌ら約３８～４０％のプロが使用しており、使用率は１位。女子でも上田桃子や諸見里しのぶも愛用している。

　◆石川の用具　▽１Ｗ　ソリッドコンタクツ（ロフト角９度、長さ４５インチ、硬さＸ）▽３Ｗ　ヨネックス・ニューナノブイ▽２Ｉ　ソリッドコンタクツ▽３Ｉ～ＰＷ　ヨネックス・フォージド▽ウエッジ（５２、５８度）　タイトリスト・ボーケイ▽パター　オデッセイ　プロトタイプ▽ボール　タイトリスト・プロＶ１―Ｘ

参照元：スポーツ報知