白鵬０．６秒で１敗…大相撲春場所４日日

◆大相撲春場所４日日　○安美錦（突き落とし）白鵬●（１２日・大阪府立体育会館）　４連覇を狙う横綱・白鵬（２３）＝宮城野＝が珍事に足をすくわれた。東前頭２枚目の安美錦（２９）＝伊勢ケ浜＝に立ち合いで突き落とされ、痛恨の１敗。実は東の花道を歩いていた時に、２番前の琴欧洲―鶴竜戦がわずか２度の仕切りで始まるハプニングが起こっていた。横綱・朝青龍（２７）＝高砂＝は雅山（３０）＝武蔵川＝を押し出し４連勝。ライバルが全勝を守っただけに、なんとも恨めしい出来事となった。

　わずか０．６秒。白鵬が、土俵に両手をつき四つんばいになる屈辱を味わった。「まさか」あっけにとられる館内の中心で、奥歯をかみ締め苦々しい表情を浮かべた。

　まわしを取りに前に出たが、安美錦はいなかった。左に変化した相手の突き落としにばったり。過去８勝１敗と相性の良かった相手に、昨年秋場所の豊ノ島戦以来、２個目の金星配給。支度部屋ではしばらく無言で、「はまったかな」と口を開くと「物足りない。何しに来たのか。恥ずかしい。（お客さんに）申し訳ない」と、自らの失態を責め続けた。

　思わぬハプニングが起きた。集中力を高め、入場してきた花道。だが、普段なら控えに座ってから行われる２番前の取組が突然、始まってしまったのだ。２回目の仕切りで軍配が返った琴欧洲―鶴竜戦。テレビのアナウンサーも「時間前の立ち合いですね」と間違えるほどのドタバタ劇でペースが乱れた面もあった。

　持病の腰痛も深刻。この日も電気と針治療を受けて会場入りした。場所が始まってから、わずか１日しかけいこ場に下りられない状況だ。泣きっ面にハチで、取組後の食事会出席のため羽織ろうとした着物を付け人が間違って車に運んでしまうアクシデントも発生した。慌てふためく付け人衆。それでも「まだ時間があるならゆっくりでいいよ」と、憤ることはなかった。

　過去、朝青龍と争って優勝した４回は、すべて先に相手に土が付く展開。朝青龍が４連勝した今場所は、データ上は厳しくなった。「切り替え？　大丈夫でしょ」逆転での４連覇へ。強い気持ちで不安材料を吹き飛ばす。

◆安美錦が通算５個目金星　○…白鵬から初の金星を挙げた。「当たっていくつもりだったからビックリした」これで金星は昨年夏場所の朝青龍戦以来、通算５個目。昨年は２場所連続で勝つなど朝青龍キラーとして名をはせていたが、今度は白鵬も餌食にした。横綱土俵入りで白鵬の太刀持ちを務めるだけに「どうしよう、明日から太刀持ちできるよな」と、得意のジョークで喜びを味わっていた。

参照元：スポーツ報知