ダル「弱音吐くな」一喝に中田「みなぎってきたッス！」

◆ロッテ４―３日本ハム（１１日・千葉マリン）　怪物が再びやる気を取り戻した。日本ハムの大物ルーキー・中田翔内野手（１８）＝大阪桐蔭＝が１１日、ロッテとのオープン戦（千葉マリン）に途中出場。二ゴロと死球で連続打席無安打は「１３」に伸びたが、首脳陣は中田の「姿勢」を評価。一時は「１軍レベルにない」と絶望感を漂わせていた中田も、ダルビッシュの猛ゲキやプロ初の死球を受けたことで「みなぎってきったッス」と覚醒（かくせい）。１２日のヤクルト戦、１３日のイースタン教育リーグ・湘南戦で開幕１軍をかける。

　結果を残せず、ボールも当てられた。それでも、中田に悲壮感はなかった。「みなぎってきました」この日は、途中出場で２打席無安打。にもかかわらず、怪物は試合後、声援に手を上げて応える余裕すら見せた。

　９日の巨人戦後、１８歳ルーキーは「開幕１軍と言えるレベルではないです」と話すほど落胆していた。それが、この日の試合前に三塁ベンチ内で“特効薬”が注入された。ダルビッシュに一喝されたのだ。「めっちゃ怒られました。『弱音を吐くな！　２軍にいても上がれないやつもいるんだ。そういうこと（泣き言）は言うなよ』と」エースは１０日に、報道陣の前で「あいつは１軍にいなきゃいけない選手」と訴えたばかり。不振から覇気を失った怪物を蘇生（そせい）させようと、猛ゲキを飛ばした。

　一時はファーム降格を志願するとも取れる発言をしていた中田も、これで目を覚ました。「ゲキ？　変わった部分はありました」７回１死三塁からの代打の場面では、中郷の外角直球に食らいつき二ゴロ。オープン戦初打席初本塁打を放った１日の横浜戦（名護）以来、１０日ぶりの打点を記録した。さらに、９回の２打席目には伊藤のシュートが右手を直撃。プロ初の死球に「燃えてきた？　みなぎってきたッス、みなぎってきたッス」と繰り返した。

連続打席無安打は「１３」に伸びたが、平野打撃コーチは「がむしゃらに球に食らいつく姿勢が出てきたし、その意味じゃ期待が持てる」と評価した。また、福良ヘッドコーチは「（中田は）ボーダーライン」とした上で「１軍に残すかどうかは他との比較になる。金子洋、高口、陽とか」と明言。３選手はこの日、１軍昇格されたが、いずれも無安打。まだ中田にチャンスは残されている。

　今後について山田ＧＭは「２軍に落とすとしたら、早い方が良い」と言及。１３日の教育リーグ・湘南戦（鎌ケ谷）までの結果を見て、方向性を決めることを示唆した。残り２試合。デッドゾーンと向き合う怪物の底力が試される。

参照元：スポーツ報知