白鵬まわしが無くてけいこ断念

大相撲春場所（１５日初日・大阪府立体育会館）でＶ奪回を目指す横綱・白鵬（２３）＝宮城野＝が４日、思わぬアクシデントで始動を１日延期した。付け人の手違いでけいこまわしが東京から大阪の宿舎に届かず、大阪・堺市の宮城野部屋で行う予定だった番付発表（２日）後の初げいこを断念。初場所の優勝決定戦で敗れたライバル・朝青龍（高砂）へのリベンジへ、出はなをくじかれた。

　賜杯奪回に燃える白鵬に、とんでもない落とし穴が待っていた。「けいこまわし」が、始動日に宿舎になかったのだ。他の力士が汗を流す中、どうすることもできず、けいこ場に姿を現すことはなかった。

　関係者の話では、原因は付け人の手違い。付け人は東京滞在中の２月下旬に横綱が使う道具を準備。まわしなどが入った明け荷は、２日の番付発表前には大阪に届き、宿舎に置かれていた。だが２日午後１０時過ぎ、部屋関係者が目を疑うような事実が判明した。

　明け荷を開けると、そこにあったのは白鵬が普段使っているまわしではなく、部屋付きの安治川親方（元幕内・光法）が使う予定の真新しいまわし。付け人が入れ間違え、横綱のまわしは、東京・墨田区の宮城野部屋に忘れられていたのだ。

　けいこまわしは、１人１本が慣例。新品とはいえ、安治川親方のものでは腰回りなど長さが合わない。東京の部屋関係者が３日の朝一番で宅配便で送ったが、この日のけいこ開始時間には間に合わず、けいこ終了後の午前９時半過ぎになってやっと到着した。「１日遅れのスタートですね」関係者は苦笑いするしかなかった。

　思わぬ珍事で第一歩はつまずいたが、“泰然自若”がモットーの白鵬。ライバル・朝青龍へのリベンジへ、強い気持ちを切らすことなく５日から始動する。

　◆けいこまわし　十両以上は白、幕下以下は黒を使用する。１人１本で、洗濯はせず、けいこ終了後に日干しをする。自分のまわしと分かるよう、力士によって手形を押したり、しこ名を書くなど目印を付けている。長さや生地によって値段が違い、力士は日本相撲協会で購入する。５０００～１万５０００円で取り扱っているスポーツ店もある。

参照元：スポーツ報知