王さんのおかげ！大田１４打席目で初ヒット…イースタン教育リーグ

◆イースタン教育リーグ　西武０―４巨人（３日・西武第二）　巨人のドラフト１位・大田泰示内野手（１８）が３日、教育リーグ初戦となる西武戦（西武第二）に「４番・三塁」で先発し、プロ初安打をマークした。３打席凡退で迎えた８回の第４打席で、西武の４番手・上原のスライダーを中前に運んだ。キャンプ中の実戦は３試合で計１０打数無安打だったが、１４打席目での「Ｈ」点灯。ビッグルーキーにも、安堵（あんど）の表情が浮かんだ。

　無我夢中でバットを振った。大田は打球が左中間の芝生で弾むのを確認しても、全力疾走を緩めなかった。とにかく必死だった。オーバーランして一塁に戻ると、ようやくひと息ついた。「何も考えずにベースを踏みました。ホッとしました。今日は本当に良かったです」長いトンネルを抜け出した怪物の笑顔が、まぶしかった。

　打ちたい気持ちが最後の粘りを呼んだ。８回、先頭で迎えた第４打席。カウント１―０からの真ん中スライダーに、泳がされながら気持ちで中前に運んだ。「真っすぐのタイミングでスライダーを打てました。本塁打を打ってナンボだと思う。しっかり準備をすれば、打てると思います」実戦１４打席目での初安打。失いかけていた自信を少し取り戻した。

　宮崎キャンプ中は打撃フォームが固まらず、苦悩した。実戦３試合で１０打数無安打。２月１９日、ＮＴＴ西日本との練習試合が終了した後は、宿舎でパソコンを使って打撃フォームを研究した。この試合の映像と、昨夏の高校野球・北神奈川大会決勝（対慶応戦）で本塁打を放った時の映像を並べて再生、比較した。あまりに違う自分の姿に「こんなはずじゃない」と衝撃を受けた。それ以来、高校時代のように何も考えず、バットを強く振ることを決意。「内容的には以前（キャンプ中）より良くなっています」この日はストライク全５球をスイング。見逃しは１球もなく、本来のフルスイングを披露した。

　前日（２日）、ＮＰＢ（日本プロ野球組織）主催の新人研修会で、王貞治ＮＰＢ特別顧問の講演を聞いた。「とにかく振って振って振りまくれ」との言葉に、ジャイアンツ寮に戻ってから、同級生の橋本と約１時間、素振りで汗を流した。「昨日の練習がなかったら、打てなかったと思います」努力の大切さを改めて実感した。

　初安打の次は、初本塁打だ。「次は必ずホームランを打てるようにしたい。期待に応えられるように頑張ります」座右の銘である「一日一生」（１日を一生のごとく全力で過ごす）の精神を忘れることなく、１軍を目指して突き進む。

参照元：スポーツ報知