父離れ完“遼” １１月１１日１人立ち決意…太平洋マスターズ最終日

◆三井住友ＶＩＳＡ太平洋マスターズ最終日（１１日・静岡県太平洋クラブ御殿場＝７２４６ヤード、パー７２）　遼が独り立ちだ。３６位から出た石川遼（１６）＝杉並学院高１年＝が３バーディー、３ボギーの７２で回り、通算２アンダーの３８位で終えた。優勝後のプロツアーとしては５戦目で初のアンダー。父・勝美さん（５０）も１人でも課題を克服しながらラウンドできるまでに成長したことを実感。これまで親子二人三脚だったが、次戦は１人でツアーに挑ませることを明言した。優勝は通算１４アンダーのブレンダン・ジョーンズ（３２）＝オーストラリア＝。

　石川の成長に父も太鼓判を押した。ツアー屈指の高速グリーンと呼ばれる難コースで最終日にイーブンパー。スタート前に中嶋常幸と約束した６８はクリアできなかったが、プロツアーで２度目のアンダーパーで４日間を終え「目先のショットにこだわらなくなった。スイングも乱れなかったし、信念を貫けた。満足している」と笑った。

　ショットは安定感を欠いたが、その分パットでしのいだ。パーオンを逃した場面で３メートル前後のパーパットをねじ込み、ピンチを回避。すると１６番では６メートル、１８番では１メートル半を決め、少ないチャンスを確実にものにした。１３歳でインドツアーを制したジーブ・ミルカ・シン（３５）＝インド＝と同組で展開した「最年少Ｖ対決」はシンが３オーバーで石川が勝った。同組の細川和彦からは「いろんな技がある。日本のタイガー（ウッズ）になれるし、ジャンボ（尾崎将司）さんもワイドスタンスが若い時のオレに似ていると言っていた」と絶賛された。

　次戦のダンロップフェニックス（１５～１８日、フェニックスＣＣ）に向け、１２日に宮崎入り。これまで練習ラウンドはほとんど勝美さんが同行したが、今回は息子より仕事を優先させ、早くても試合前日の１４日の夜に現地入りする予定だ。勝美さんは「今日みたいだったらパープレーで回れる。後から褒められた方がいいし、練習法も分かっている」と独り立ちさせる考えだ。

　宮崎では、石川が一番会いたかった米ツアー選手、イアン・ポールターとの対面が待っている。「大好きです。同じメーカーのウエアを着させてくださいと言いたい」と心待ちにしている。「力を最大限に出したい」。父から本当の意味で認められるためにも、この試合での経験を生かして見せる。

参照元：スポーツ報知