決めたトリプルアクセル！真央初Ｖ…フィギュア４大陸選手権

◆フィギュアスケート４大陸選手権最終日（１６日、韓国・高陽）　女子フリーを行い、１４日のショートプログラム（ＳＰ）で首位に立った浅田真央（１７）＝中京大中京高＝はトリプルアクセル（３回転半ジャンプ）を跳び、合計１９３・２５点で初優勝を飾り、３月の世界選手権（スウェーデン・イエーテボリ）に弾みをつけた。日本勢は、１５日に男子の高橋大輔（関大）が世界歴代最高得点で初優勝しており、２００３年以来のアベックＶ。昨季世界選手権女王の安藤美姫（２０）＝トヨタ自動車＝は４回転サルコーに挑んだが失敗し、１７７・６６点で３位。村主章枝（ａｖｅｘ）は１４５・０６点で１０位に終わった。

　真新しい深紅の衣装に身を包み、真央のジャンプが輝きを取り戻した。最大の武器の３回転半は、軸がぶれない鋭さだ。２回転半でフィニッシュすると、満員の会場は絶叫のような歓声に包まれた。「トリプルアクセルは重点的に練習してきた自信から、迷わず跳べた」笑顔で胸を張った。

　最初の３回転半は美しい着氷にすべてのジャッジがプラス評価を与えた。２連続３回転の２つ目が回転不足と判定された以外に目立ったミスはなく、ボーナス点をもらえる後半のジャンプはすべて成功。表現力を示す５項目も、ただ一人すべてハイレベルな７点台。フリーの自己最高に０・８２点差に迫る内容だった。

　ようやくＳＰ、フリーの両方で及第点の演技をそろえることができた。フリーで今季最高（１３２・５５点）を出したＧＰファイナルも、ＳＰは最下位。２連覇した全日本選手権は、３回転半が１回転半になって失敗。「（ＳＰとフリー）両方を今季、ミスなくできずにいたので、それも目標の１つだった。終わってからうれしい感情が出てきた」と振り返った。

　熱狂的な韓国ファンの応援にも後押しされた。金妍兒（韓国）は欠場したが、ライバルの真央の知名度も高い。ホテルまでファンがついてくるほど人気で「レストランでも『浅田真央だ』と言われてビックリした」と目を丸くした。

　今大会はロシア人のアルトゥニアン・コーチが同行しなかったが、周囲と相談しながら練習計画を練った。踏み切り違反で減点が続く３回転ルッツも、世界選手権までに修正できる手応えはある。

　自己評価は８０点というが「いいステップになった。悪いところを直し、世界選手権に臨めたらいい」と話した。昨季は小差で安藤に世界女王の座を譲り、トイレで悔し泣きした。やっと自信を取り戻した１７歳が、夢の金メダルに突き進む。

　◆４大陸選手権　欧州の強豪選手に対抗するため、欧州を除くアフリカ、アジア、アメリカ、オーストラリアの各大陸の選手が出場して開催される国際スケート連盟主催の国際大会。第１回大会は１９９９年２月にカナダで行われ、今回で１０回目。参加枠は各種目に対し各国最大３人、および３組まで。次回は０９年に翌年五輪を控えるカナダ・バンクーバーで行う。

参照元：スポーツ報知