植村、誓った「０９年、新人王獲るぞ！」…日本ハム

北照高校出身の日本ハム・植村祐介投手（２０）が２２日、来季の新人王獲得を宣言した。今季は２月のキャンプで右ひじを痛めたことが尾を引き、プロ初登板を含む２試合の登板に終わったが、故障を糧にフォームを修正、球種も増やした。巨人でブレークした山口鉄也（２５）、越智大祐（２５）もプロ３年目。実績ゼロから新人王へ。母校で早くも自主トレを始めた右腕は、勝負の３年目の活躍を誓った。

　「０９年新人王獲るぞ」。勝負の３年目へ、色紙に強い気持ちをつづった。「来年は開幕１軍、プロ初勝利はもちろん、２ケタ試合の登板。新人王？　目標は高くていい。一生の思い出にもなるし」。母校である北照高で、植村は穏やかに、しかししっかりと決意を語った。

　１年目の昨年は、高卒ルーキーながらファームのローテを守り抜き、チーム最多となる７勝。その年の夏には北京でのプレオリンピック日本代表として予選２試合に登板、フランス戦では勝利投手にも輝いた。

　さらなる飛躍が期待された２年目の今年。２月のキャンプからつまずいた。右ひじを痛めて離脱。そこから４か月間、投げては痛みが、ぶり返すというもどかしい日々を送った。シーズン終盤には間に合ったが、プロ初登板を含む２試合のリリーフ登板のみに終わった。痛めたひじはすでに、福岡の専門家による検査で完治を確認した。

　故障の経験をプラスにした。１２月の１か月、ウエートによるひじの周囲の筋力強化に当て、精神的な安心感を得た。痛みが教えてくれたこともある。投球フォームだ。これまで、インステップでひじが抜け、体の開きが早かった。今では「あのフォームは自分が何十年やるフォームではない」と言い切れる。フォームの土台になる下半身も、プロ２年間で太ももは５９センチから６３センチに。ヒップは９８センチから１０４センチへ成長。「休みなく練習しまくった」成果で、本人も自覚するほど安定感を増している。

　武器も増やす。１軍初登板を見守った吉井理人投手コーチから問いかけがあった。「シュートはどうした？」。セールスポイントである空振りのとれるカーブに縦のスライダー、シンカーとともに、高校時代から投げていた変化球。いつの間にか使わなくなっていた。吉井コーチの「来年から絶対投げろ」の指令のもと、このシュートを復活させる。投球の幅は確実に広がるはずだ。

巨人のメークレジェンドに貢献した山口鉄也（２５）、越智大祐（２５）もブレークイヤーの今年がプロ３年目。２人ともシーズン序盤はどんな場面でも登板、抑え続けることでセットアッパーの地位を確立し、山口は新人王に輝いた。エースストッパー、マイケルが抜ける来季の日本ハム。１軍投手陣へ割り込むチャンスは確実に転がっている。植村も「先発、中継ぎにこだわりはない。どこでも投げる。任されたポジションで１００％頑張りたい」とフル回転を誓う。実績ゼロから新人王へ。植村自身のメークレジェンドが今、始まる。

　◆植村　祐介（うえむら・ゆうすけ）１９８８年７月５日生まれ、２０歳。大阪府茨木市出身。０６年高校生ドラフト３巡目指名。２年目。小１で地元の軟式チーム「安威インディアンス」で野球を始める。中２の練習中、たまたまあいさつに来ていた北照高の河上監督の目に留まり、小樽へ野球留学。高校では１年春からベンチ入り、３年時は駒大苫小牧の田中将大（現楽天）、札幌日大の黒滝将人（現ロッテ）とともに“北の三羽ガラス”と呼ばれた。高３夏は南北海道大会準決勝で駒苫を１安打に抑えたが敗退。１８０センチ・８０キロ。右投右打。背番号４６。血液型Ｏ。独身。

参照元：スポーツ報知