李連発！新オーダーいける！手応え後半戦

◆巨人４―８横浜（２４日・東京ドーム）　「４番・小笠原」の新打線も、投打がかみ合わず、今季２度目の３連敗。後半戦開幕に合わせ、高橋由と李承ヨプがスタメンに復帰し、不動の３番だった小笠原が第７３代４番を務める新オーダーで臨んだ。５点のビハインドを背負いながら、５番・李の２発と阿部の２０号で一時は１点差まで追い上げるなど、８試合ぶりの２ケタ安打。打線には復調の兆しは見えたものの、９回に姜が３ランを浴びて、横浜の工藤に通算２１８勝目を献上。７月の負け越しも決まった。

　下を向いている選手はいなかった。試合が終わっても選手は闘志を失っていなかった。ベンチではどこからともなく「明日、明日！」の声が。工藤に２１８勝目を献上したが、明るい兆しも見えた。燃えるような目は早くも翌日の試合に向けられていた。

　小笠原を第７３代４番に据えた新打線が爆発の予感を抱かせた。反撃のノロシを上げたのは左手親指付け根の炎症で登録を抹消されていた李承ヨプだ。８試合ぶりに「５番・一塁」で先発すると、いきなりバットが火を噴いた。５点を追う６回１死一塁、工藤の甘いカーブを完ぺきにとらえた。「ぴったりのタイミングだったよ」バックスクリーンに飛び込む特大の１６号２ラン。７月１日の広島戦（広島）以来１５試合ぶりの一発が、復活の雄たけびだった。

　８回１死、今度は那須野に襲いかかった。今までなら引っかけていた外角低めの直球を、うまくさばいた。バックスクリーン左に運ぶ２打席連続の１７号ソロ。患部の状態は決して万全ではない。自分に「痛くない」と言い聞かせて放った今季初の１試合２発。「早くチームを前半戦のようなペースにするのが自分の役割」と言い切った。原監督も「スンヨプらしいバッティングをしていた。いいスタートが切れたね」と目を細めた。

　続く阿部も１２試合ぶりの２０号ソロを放った。オールスターでＭＶＰに輝きリフレッシュ。スンちゃんとのアベック弾で、最後まであきらめない姿勢を見せた。小笠原も４番初打席で二塁打を放つなど、２安打と意地を見せた。右足首痛から復帰した高橋由も２安打。久しぶりにベストメンバーがそろい、チームは８試合ぶりの２ケタ安打。一時は１点差まで追い上げ、横浜を青ざめさせた。篠塚打撃コーチも「みんな積極的に打っていた」と前半戦終盤との違いを感じ取っている。

　９回に４番手の姜が金城にダメ押しの３ランを浴び、３連敗で３位・横浜との差は０・５に縮まった。指揮官は「ここで勝負だというところで踏ん張り切れなかった」と分析した。１回、２回、４回、７回、９回と５度先頭打者が出塁したが、得点に結びつかなかった。「勝負という時の一球、一打がこれから要求されてきます」後半戦は黒星スタートとなった。７月の負け越しも決まったが、勝敗を分ける局面での打線のつながりさえ戻れば、心配はいらない。曇天から光は差し込んだ。巨人の梅雨明けも近いはずだ。

　巨人・原監督「きょうはここぞ、というところで踏ん張りきれなかった。スンヨプはいいスタートが切れた。金刃はすべてを肥やしにしていくことが大事でしょう。今後は勝負どころでの一球一打が要求される。明日から切り替えていきます」

参照元：スポーツ報知