朝青龍、右足重傷！全治１か月

大相撲の横綱・朝青龍（２７）＝高砂＝が６日、冬巡業で負傷した右足の緊急診察を都内の病院で受けた。約１時間３０分にわたる検査の結果、かかとの骨がズレていることが判明。診断した平石貴久医師は足（そく）関節周囲炎で全治１か月と診断。謹慎が解け再来日後の冬巡業では順調に調整を進め、３場所ぶり復帰となる初場所（０８年１月１３日初日・両国国技館）で優勝の期待を膨らませた朝青龍だが、思わぬ重傷発覚で復活どころか、一転大ピンチに陥った。

　朝青龍は正午過ぎに六本木の平石クリニックに姿を見せた。車から降りると右足を引きずりながら「かかとをつけて歩けないんだよ。骨と骨がズレている感じなんだ」と告白。右足には分厚い包帯を巻いた上に、負傷個所をいたわるように靴下をはいていた。不安な気持ちを抱きながら主治医が待つ診察室に入った。

　検査はエックス線、ＣＴ、血液にいたるまで１時間３０分にわたり、入念に行われた。下された結果は足関節周囲炎で全治１か月という衝撃の診断だった。平石医師によると「かかとの骨がズレて骨どうしが当たって炎症を起こしている」と明かした。不吉な予感通り骨がズレているという診断。思わぬ重傷に病院を出た時に朝青龍は「心配せんでええんや。今後の予定なんか聞くな！」と声を荒らげた。イライラを募らせたその姿が逆に深刻な状態に陥っていることを表していた。

　右足首は１０月からモンゴルで開始した筋力トレーニングで痛めた。初場所への復帰をにらみ急ピッチで取り組んだ激しいけいこがアダとなった。痛めた状態のまま２日からの冬巡業に参加。当初は慎重に様子を見る意向だったが、久々に目の当たりにしたけいこに持ち前の闘志がかきたてられ、初日からぶつかりげいこを敢行。２日目と最終日は申し合いまで行った。「張り切りすぎで余計に悪くした」と平石医師。２場所出場停止の影響が負傷という最悪の形で出てしまった。

　全治まで１か月。初場所の出場が懸念されるが「出るに決まっているやろ」と休場は否定した。ただ、平石医師は負傷個所がかかとのため申し合い、ぶつかりは厳禁、若い力士に胸を出すのも「絶対にいけません」と警告。さらに相撲の基本となるしこ、すり足も「右足に負担のかからないようにやってほしい」と注意を促した。

　初場所に強行出場を決断しても、けいこ不十分では優勝はおろか横綱の責任を果たす成績をあげることも危ぶまれるが「やっていくしかないやろ」。部屋でのけいこ再開は当初、９日に予定していた。だが今回の診断で大きく延期される可能性が高い。今後は再びモンゴルへの治療帰国を含め、お騒がせ横綱の周囲が再び騒がしくなることだけは間違いない。

　◆平石医師に聞く
―右かかとの状態は？
  「かかとの骨が前に上がってズレている状態。モンゴルでまじめにけいこをし過ぎたんでしょう。足を地面に強く着けた時に痛めたようです。巡業も自重すれば良かったのに張り切りすぎたようです。折れてはないですが炎症があります」

　―全治は？
  「おとなしくしていれば３週間で治ります。ただ、初場所に向けてけいこをしなければいけないので静かにしておくわけにはいかないでしょう。そう考えると１か月はかかってしまいます」

　―初場所は出場できる？
  「本人は出るつもりですし、私としても往診などをして出るように持っていかないといけません。けいこと休みをうまく繰り返しながら調整していくことになると思います」

参照元：スポーツ報知