星野氏ＷＢＣ監督最有力…コミッショナーに一任

星野ＪＡＰＡＮでＷＢＣへ。プロ野球の実行委員会が１日、東京・内幸町のコミッショナー事務局で開かれ、来年３月に開かれる第２回ワールド・ベースボール・クラシック（ＷＢＣ）の監督を、加藤良三コミッショナー（６６）が中心となって選考することで１２球団が合意した。同コミッショナーは、優勝した０６年大会で指揮を執ったソフトバンク・王監督らから意見を聞き「可及的速やかに」（加藤氏）決める意向。現状では、北京五輪日本代表監督を務めた星野仙一氏（６１）が最有力候補であることに変わりはないようだ。

　連覇を狙うＷＢＣの指揮官は誰がベストなのか。監督選考は、加藤コミッショナーへの“一任”でまとまった。実行委員会終了後、会見に臨んだ加藤コミッショナーは「実行委員会だけでなく有識者、関係者のしかるべき人に意見を求めることが必要。私が積極的に（選考に）参画するのは当然であろう」と、責任を持って候補を一本化する決意を明かした。

　オールプロで臨んだ星野ジャパンは、北京五輪でまさかのメダルなし。期待を裏切る結果に終わったことで、コミッショナー事務局には野球ファンから批判や不満のメールが寄せられた。また一部球団から選考方法の見直しを求める声なども相次いだ。

　この日の会議も、中日、ソフトバンク、ヤクルトが日本シリーズ優勝監督がＷＢＣ監督を務めるプランを提案。阪神、西武は代表チームの合宿とチームの春季キャンプが２月に重なるため、現役監督の兼任に抵抗を示した。選考委員会の設置を求める意見も出た。

監督候補の具体名が出ないまま会議は紛糾。最後はプロ野球界のトップである加藤コミッショナーに判断をゆだねることで１２球団が合意した。今年７月に就任した同コミッショナーは前駐米大使で、日米の野球に精通している。０６年の第１回大会で日本を優勝に導いたソフトバンク・王監督とも親交がある。今後はコミッショナーが王監督らからヒアリングを行う。

　現状での監督候補について、同コミッショナーは「名前自体、存在していない」と白紙を強調したが、関係者の話を総合すると、最有力候補に挙がっている星野五輪代表監督が大本命であることに変わりはない。今後は、意見を集約した同コミッショナーが９月中に候補を一本化。１２球団の了解を得て正式決定となる。

　ＷＢＣ本番まで６か月。残された時間は少ない。首脳陣の組閣、イチロー（マリナーズ）ら日本人メジャーリーガーへの出場打診、合宿地や強化試合の選定など、早急に取りかかる必要がある。同コミッショナーも会見で「可及的速やかに決めたい」と繰り返した。ＷＢＣ連覇で五輪を雪辱するためにも、人選に難航しているような猶予はない。

　◆現役監督の就任　ソフトバンク王監督は難色　○…ＷＢＣ日本代表監督について、ソフトバンク・王監督は、現役監督の就任に難色を示した。自らもソフトバンクの監督として０６年３月の第１回大会に出場した経験から「現役の監督は負担になるから大変。自分のチームもあるしね」と提起。また、自身の就任についても「僕は体のことがあるし、体力的に無理」とあらためて否定した。

　◆加藤Ｃ９月各球場訪問　○…加藤コミッショナーは今月、各球場を本格的に訪問する。２日は千葉マリンスタジアムでロッテ・西武戦を視察。２０日には福岡ヤフードーム（西武戦）で王監督を訪ねる予定だ。これらが関係者へのヒアリングを兼ねた視察になるかどうかは未定だが、候補者選定へ向け、今後は加藤コミッショナーの動向に注目が集まる。

参照元：スポーツ報知