大毅「すみませんでした」内藤自宅を極秘訪問し謝罪

プロボクシングＷＢＣ世界フライ級タイトルマッチ（１１日）での悪質反則行為で１年間のライセンス停止処分を受けた亀田家の二男・大毅（１８）＝協栄＝が１８日午前、対戦相手だった王者・内藤大助（３３）＝宮田＝の東京・葛飾区の自宅を訪ね「すみませんでした」と頭を下げた。報道陣の目を避けての電撃的な極秘謝罪だったが、誠意を感じた内藤は大毅を激励。試合から１週間たち、事態はやっと収束へと向かい始めた。

　午前１０時前、呼び鈴が鳴り、内藤がドアを開くと玄関口にうつむいて立っていたのは、１週間前に拳を交えた１８歳の挑戦者だった。「すみませんでした」丁寧語を使い、丸刈り頭を垂れる大毅。金髪で“切腹宣言”していた時とは別人のようだった。

　大毅はその場で父・史郎トレーナー（４２）の携帯電話にかけ、内藤に代わった。「今回のことは悪かった。内藤君も頑張ってや。オレらも頑張るから」内藤は「はい、頑張ります」と快活に答え、大毅にも「お互い頑張ろう」と激励した。面会時間は５分程度。それでも心は伝わった。

　世界王座を争った両者は、ともに葛飾区に住むご近所同士。タクシーなら１０００円、５分程度で着く距離だ。だが、静かに誠意を伝えるためにも、報道陣には非公表、非公開とした。当初は親子一緒にわびに出向くつもりだったが、メディアに感づかれるのを避けるために、大毅は後援会関係者の運転する車で、目立たぬように内藤宅へと向かった。

　非礼な挑発や反則行為も、内藤にとってはすでに過去のこと。騒ぎが大きくなるのを好まず、謝罪を受け入れた後は無言のまま、正午過ぎにタクシーに乗って外出。報道各社には「突然、自宅まで来られてびっくりしましたが、大毅選手から直接、謝罪を受けて誠意が伝わりました。お父さんからも電話で連絡をいただき、謝罪を受けました。大毅君は素質のある選手なので、これからも頑張ってほしいと思います」とだけコメントした。

　勝ち気一辺倒の亀田節にようやく吹いた秋風。王者はこれを転機とすることを願っていた。

参照元：スポーツ報知