北島スピードで勝負！ミズノ「他社ＯＫ」…水連が着用承認

日本水泳連盟は１０日、都内で常務理事会を開き、北京五輪で日本代表が着る水着について、用品提供契約を結ぶ国内３社以外の製品も着用できるオープン化を決めた。これにより、今季世界新記録１９個を量産した英スピード社の「レーザー・レーサー（ＬＺＲ）」の着用が可能になった。ＬＺＲを着て男子二百メートル平泳ぎで世界新をマークした北島康介（２５）＝日本コカ・コーラ＝はミズノとの個人契約があったが、同社は他社水着の着用容認を明言。五輪２大会連続２冠へさらに前進した。

　約２時間の常務理事会を終えた水連の林利博会長（７０）は、無数のフラッシュが光る中、１００人以上の報道陣が集まった会見に臨んだ。「北京で最高の成果を挙げるため、選手たちの希望を実現させることを念頭に置いた。一人ひとりが希望する水着を着られるオープン化を決定した」北京五輪限定の特例で１７年３月までの国内３社との契約は維持したが、ＬＺＲをついに解禁。日本競泳陣が世界と同じ“スタート台”に立った。

　会見から約１時間後。男子平泳ぎでは前人未到の五輪２大会連続２冠を狙う北島にはさらなる朗報が届いた。これまでは個人契約を結ぶミズノの水着しか着られなかったが、今回の決定を受けて同社が「他社の水着を着たいと言った場合、それを認めます。契約も続けたい」と寛大な姿勢を表明。所属の松田、中野に対しても同じ考えで、違約金や契約解除もないという。

オーストラリアなどの強豪国に加え、北島の宿敵ハンセン（米国）も今月末の全米選手権でＬＺＲを着る予定だけに、平井伯昌コーチ（４５）は「これで同じ土俵に上がれる。北島や中村もＬＺＲで行くと思う」と五輪での使用を宣言。この日はコメントしなかったが、北島も先のジャパンオープンで「北京ではレベルの高い勝負がしたい」とＬＺＲ着用を希望していた。

　問題解決といかない選手も残る。デサント社員の柴田亜、柴田隆、末永らは個人の意思を打ち出せない事情がある。代表監督でもある上野広治・競泳委員長（４９）は「足かせがあるのならば指導者が壁になるべき」と３社と選手の間で指導者が調整することを求め、五輪直前まで各自が契約先と話し合うことになる。水連、選手、所属、メーカー。一体となって、最高の結果を追求する結束が望まれる。

参照元：スポーツ報知