俊輔ミラン撃破！残り５分の魔術…欧州ＣＬ１次Ｌ第２節

◆欧州ＣＬ１次リーグ第２節　▽Ｄ組　セルティック２―１ＡＣミラン（３日、英国・グラスゴー）　Ａ～Ｄ組の８試合を行い、Ｄ組のセルティック（スコットランド）の日本代表ＭＦ中村俊輔（２９）は左ひざ痛をおして、ホームでの昨季王者・ＡＣミラン（イタリア）戦後半３９分から出場。同４４分、ＦＷマクドナルド（２４）の決勝点を呼び込む起点となった。セルティックは２―１でチーム史上初のミラン戦勝利を挙げ、２位に浮上した。Ｂ組のチェルシー（イングランド）は敵地でバレンシア（スペイン）に２―１で逆転勝ち。グラント新監督（５１）体制でＣＬ初勝利となった。

　大粒の雨が降りしきる後半３９分、１―１の場面で俊輔が１５日ぶりのピッチに登場。その５分後だ。俊輔の右ＣＫから波状攻撃がスタート。ペナルティーエリア右外で再びボールを受けた背番号２５は、またぎフェイントで昨季王者のＤＦ陣をほんろう。クロスに備えてファーサイドに残った相手ＤＦを見て取ると、フリーになったＭＦブラウンへパス。後方でつないだＤＦコルドウェルのシュートを相手ＧＫジダがはじき、こぼれ球をＦＷマクドナルドが右足で押し込んだ。

　「試合途中から入って、がむしゃらにいくタイプもいるけど、おれは状況判断して冷静に行こうと思った。また道が開けてきた」瞬時の判断で堅い守備網に穴を開け、口元が自然とゆるんだ。１９６８～６９年シーズンの初対戦から７戦目にしてミラン戦初勝利。昨季は決勝トーナメント１回戦ではね返されたが「去年のミランの勢いはない。メンバーは一緒だけど動きが去年ほどじゃない」と勝機を感じ取っていた。

　ショックな敗戦を喫した初戦のシャフタル・ドネツク戦（９月１８日）で左ひざを痛め、公式戦３試合を欠場。試合前夜、ストラカン監督（５０）と話し合い「試合の頭からよりも途中からの方が、というニュアンスで伝えた」と俊輔。指揮官は「ひざは自分も痛めたことがある。大事だから次のリーグ戦（７日・グレトナ戦）も休んで２週間を使って治してほしい」と最大限の配慮。国内リーグとＣＬでは０６年４月２３日のレンジャーズ戦以来の途中出場となった。

　起死回生の金星だが、試合終了間際にファン１人がピッチ内へ乱入し、相手ＧＫジダと接触する事件が起きた。ＵＥＦＡは５日に主審が提出するリポートを待って、調査するかを決めるが、数試合のホーム試合無観客開催となる可能性が高い。「ホーム試合が閉鎖になったら大きいよね」と俊輔。それでも「次はフィジカルもひざもいけると思う」と明るい手応えをつかんだ。

参照元：スポーツ報知