スピードスケート清水が北島トレで再起！「長野金」男が「北京２冠」メニュー導入

あと１年４か月に迫った２０１０年バンクーバー冬季五輪の男子スピードスケートで５大会連続出場を目指す９８年長野大会同五百メートル金メダルの清水宏保（３４）＝コジマ＝が２０日、長野市のエムウェーブで練習を公開した。今季から競泳の北島康介（２６）＝日本コカ・コーラ＝を五輪２大会連続２冠に導いたトレーニングを敢行。復活への第一歩として、今季国内初戦となる全日本距離別選手権（２４日開幕、エムウェーブ）で、昨季逃したＷ杯前半戦の代表入りを狙う。

　復活に本腰を入れる。６年間背負ってきた腰痛から解放された清水は、今季国内開幕戦に向け「もうおっかなくない。思い切っていける」と笑顔で意気込んだ。

　９３年の世界デビューから１６年目。五輪、Ｗ杯でトップを張ってきたが、０５年世界距離別選手権２位以降は不振に陥り、３０代の年齢と腰痛とで限界説すら流れた。「ベッドからトイレまで足をひきずらないと行けないほど。６年間我慢してきたが、もう手術するしかない」と、昨年６月に手術。それとともに、バンクーバーでの返り咲きを目指す「２年計画」を始めた。

　今年４月、「心機一転」で所属先を大手家電量販店のコジマに変え、１０年契約が満了したＮＥＣと別れを告げた。

　６月には北島を支えたスタッフらの協力で国内外で練習を開始した。北島の個人トレーナーを務める小沢邦彦氏（３８）が肉体をケア。日大准教授で現在の水泳指導の基礎理論を確立した野口智博氏（４２）には、北島と同じ練習メニューを作ってもらった。「徐々に順位を上げていけるような流れが作れたら」と清水。だが、世界トップにだけでなく国内でも大きく水をあけられている現状に「この１年でどれだけ差を縮め、同じ舞台で戦える状態に持って行けるか」と危機感も募らせた。

　まずは２４日から開幕する今季国内初戦。「お立ち台に上れれば。大事なのはＷ杯の代表入り」と清水。代名詞の「ロケットスタート」が出るか。

　◆清水のトリノ五輪後の苦闘
  ▽盗難　０６年５月に練習で使用する１５０万円相当の自転車が、積んでいた車ごと盗まれる。
  ▽手術　０２年ソルトレークシティー五輪前から抱えていた腰痛が限界に達し、０７年６月２８日に手術に踏み切る。
  ▽落選　０７年１０月に発表されたＷ杯前半戦の日本代表に選考されず。
  ▽強化指定解除　０８年４月に日本協会が決定した特別強化選手、および強化選手から外れる。
  ◆北島トレ　北島をはじめ北京五輪の競泳日本代表が行ってきた方法で、練習後に血液を採取し、血中の酸素濃度などのデータを取る科学トレが特徴的。データを取ることで肉体の疲労度に合わせた効果的な練習方法を組む。清水は腰の手術により弱った下半身を中心に強化しており「初めての練習方法」という。

参照元：スポーツ報知