オシム日本48時間オフ後の練習で豪雨直撃

【ハノイ（ベトナム）５日】日本代表が計算違いの豪雨に出はなをくじかれた。この日夜に現地での初練習を行ったが、台風の影響で雨が降り続け、もくろんでいた暑熱対策にならなかった。オシム監督が選手の疲労を考慮し、就任後最長となる「４８時間オフ」を与えた上での練習が、思わぬ肩透かしに遭った形。アジア杯初戦の９日カタール戦に向け、今日６日から仕切り直す。一方、カタールはベトナム入りを急きょ遅らせる「隠密行動」だった。

　午後６時１０分、ハノイ競技場に到着した日本代表の練習開始を待っていたかのように、雨粒が落ち始めた。戦術練習が始まると、視界を遮られるほどの豪雨。台風の影響だった。そんな中で紅白戦形式の練習を敢行した。約１時間半の練習が終わると、ＤＦ加地は「こんなに長く降るとは…」と驚いた。

　何より気温の低下が計算違いだった。ベトナムで最大の敵は暑さ。他国より準備期間が短い日本は、気候に早く順応しなければならない。ＦＷ佐藤は「暑い中でやってみたかった。どういう感じなのか知っておきたかった」と恨めしそう。雨季のベトナムではスコールが連日降る。この日の雨で「意外とボールが滑らず、止まることが分かった」（羽生）という利点もあるが、肝心の暑熱対策が持ち越しになった。

　前夜にベトナム入り後、満を持して臨んだ初練習だった。連日の地獄トレを課してきたオシム監督が、突然の路線変更。この日午前は練習場を確保し、天気もよかったが、宿舎周辺の散歩を命じただけ。就任後最長となる「４８時間オフ」で選手の体調を整えた。満を持して、夜の練習にかけていた。さらに皮肉なことに、練習終了とほぼ同時に雨が上がるチグハグさだ。

　ずぶ濡れになって指導した同監督は「風邪を引くといけないので」とだけ言い残して会場を後にした。限られた現地調整の時間は狙いどおりに進まなかった。カタール戦まであと３日。この日できなかった暑さへの対策を今日６日からやり直す。

参照元：nikkansports.com