「横綱の品格」白鵬が守る「自分なりに頑張るだけです」

　朝青龍への２場所出場停止処分が下された１日、もう１人の横綱・白鵬（２２）＝宮城野＝が、一時帰国していたモンゴルから再来日した。“一人横綱”として迎える夏巡業（３日、群馬・富岡からスタート）で、朝青龍“仮病疑惑”で失ったファンの信頼を取り戻す。巡業地ではすでに朝青龍抜きのイベントなど準備を着々と進めている。

　午後零時３５分。報道陣が殺到する両国国技館とは対照的に、人もまばらな成田空港に白鵬が到着した。先輩横綱の“仮病疑惑”について静かに口を開く。「ボクからは言うことはないです。自分なりにけいこを頑張るだけですから」“一人横綱”として臨む夏巡業。大きくイメージダウンした国技の信頼回復は、白鵬の双肩にかかっている。

　今回は、スポーツ功労賞授賞式出席のために一時帰国。その間に起きた朝青龍騒動。「サッカー？　お父さんから聞いて知ったんだよ。そんなに大きな問題になっているとは」と目を丸くした。

　横綱としての品格。“問題児”朝青龍とは違い、白鵬はトラブルとは無縁だ。ファンを大切にし、協会行事もまじめにこなす。夏巡業でも綱締めなどのイベントを、協会の顔として行っていくことになる。ある勧進元も「地方では生の力士を見られる機会は少ない。白鵬関も含め、ぜひ（ファンを）喜ばせてほしい」と期待を寄せた。

　ライバルの出場停止は喜べることではないが、大きなチャンスでもある。秋、九州と連覇をすれば、時代を大きく引き寄せることができる。「横綱として巡業に行けるのはうれしい。頑張ります」心技体そろった本当の横綱の姿をファンに見せ、失った国技の信頼を取り戻す。

参照元：スポーツ報知