高原離脱！右太もも痛でバーレーン戦欠場も

◆２０１０年南アフリカＷ杯アジア３次予選　バーレーン―日本（２６日、バーレーン・マナマナショナルスタジアム）　日本代表ＦＷ高原直泰（２８）＝浦和＝が２４日、右太もも痛のため練習を突如、リタイアした。高原はこの日、シュート練習を行った際、足に違和感が出たため途中で切り上げてしまった。２日後に迫った序盤の天王山、バーレーン戦を前に、チーム関係者は「大事を取っただけ」と話したが、高原本人は欠場の可能性を示唆するなど、岡田ジャパンは緊急事態に陥った。チームは２４日にドバイ合宿を打ち上げ、決戦の地マナマに到着した。

　南アＷ杯行きをかけた序盤の天王山２日前に、岡田ジャパンのエースに異変が起きた。２４日午前１０時、アル・ナスル競技場で行われたドバイ合宿最終日の練習で、ＦＷ高原が衝撃のリタイアだ。

　「昨日から張りがあった。明後日？　自分で無理をしてもチームのためにならない。やれればやるし、やれなければ無理。自分で判断する」眉間（みけん）にしわを寄せ、緊張感を漂わせたストライカーは、バーレーン戦欠場の危険性すら自ら指摘した。

　悲鳴を上げたのは右太もも裏だった。２３日の練習で違和感を感じた。前夜、入念なトリートメントを済ませたが、冒頭の約１０分間のシュート練習を終えるとピッチに倒れ込み、トレーナーの緊急マッサージを受けた。チームにメニューの指示を終えた岡田監督は深刻な表情で歩み寄る。６分間のマッサージ中に３度も状態を直接確認する異常事態だった。

　「無理しなくていい。ジョグ（ジョギング）して上がれ！」指揮官は傷ついた高原に休養指令を出した。これまで国際Ａマッチ５６試合で２３ゴールを量産した利き足の太もも裏は、０６年５月のドイツ戦後に右ひざと同時に痛めた古傷。今年１月の日本代表・鹿児島合宿でも右内転筋痛で練習を回避していた。

　岡田監督は「多分、大丈夫」と話し、代表ドクターは「大事ではない」と軽症をアピールするが、高原本人は「しっかり判断したい。焦らず無理をしても、チームのためにならない」と悲壮モード。

　決戦２日前のアクシデントは、０５年６月のＷ杯最終予選、敵地バーレーン戦もそうだった。ＭＦ小野伸二（２８）＝ボーフム＝が練習中に突如、右足第５中足骨疲労骨折で緊急離脱を強いられた。再び襲われた日本代表。バーレーンには魔物がすんでいるのか…。

　高原は２５日午後、マナマの国立競技場で行う前日練習で患部の状態を最終確認し、岡田監督との会談後、最終決断を下す。強行出場か、それとも欠場か。ドバイ合宿で高原を常に前線の軸に据えてきた岡田監督のゲームプランに、不吉なひずみが生まれてしまった。

参照元：スポーツ報知