遼、全英とらえた！５戦ぶり予選突破確実…男子ゴルフ

◆男子プロゴルフツアー　報知新聞社主催ミズノオープンよみうりクラシック第２日（２０日、兵庫・よみうりＧウエストＣ、パー７１）　石川遼（１６）＝パナソニック＝が５大会ぶりの予選突破を決定的にし、全英オープン（７月１７～２０日、英ロイヤルバークデールＧＣ）出場権を射程に捕らえた。今季最多の６バーディーを決めるなど６９をマークし、前日の４１位から通算２アンダー暫定１６位に浮上。濃霧で開始が遅れ、日没により６３人が競技を残す状況の中、首位との４打差をキープ。今大会の上位４人に与えられる全英オープン出場権獲得へ前進した。

　聞き覚えのある大歓声を浴び、石川は胸を張った。最終１８番パー４。５メートルのスライスラインを読み切ってバーディーパットをねじ込むと、初めて右拳を握りしめた。予選通過が決定的な暫定１６位。「きょうはアテスト（スコア提出）のところでガッツポーズしちゃいました。土曜日という響きは久しぶり」笑顔は安心感に満ちていた。

　５月の中日クラウンズから出場試合４戦連続で予選落ちし、重圧のかかった第２日だが、不安はなかった。１番パー４で左ラフからの第２打をピン手前１メートルに寄せてバーディー発進。１アンダーで折り返すと、１０番では３００ヤードを超えるドライバーショットを見せ連続バーディーを奪った。

通算３アンダーで迎えた１７番パー３で、第１打をグリーン左手前の池に打ち込み、予選通過ラインが頭をよぎった。「１８番のティーショットは緊張しましたね」再び天国から地獄へ落ちるのか…。だがこの日最後のドライバーショットは理想の弾道でフェアウエーをとらえ、同組の２人を置き去りにした。

　６バーディーは今季最多。パーオン率は第２ラウンドで全選手中トップの８３・３３％に達した。フェアウエーキープ率は自己平均の５０・８９％を上回る６４・２９％と、安定感は数字が物語った。試合のなかったここ２週間、練習場で４０００球を打ち込んだ。コーチの父・勝美さん（５１）は常々「毎試合予選通過だけを狙うのなら、もっとアプローチとパットの練習をさせます」と話す。現在もドライバーとアイアンの練習の比率はおよそ９対１だという。

　日々の練習後、石川はトレーナーにマッサージを受けながらゴルフのＤＶＤを見る。ここ数週間はマスターズの映像だった。「最終目標はここなんです」目先の成績ではなく、自身の原点に返る重要な時間だ。

　マスターズに並ぶメジャーの全英オープンに、有資格者（今大会出場選手では谷原秀人だけ）を除く今大会の上位４人が出場できる。「まだ全英への道の“入り口”」と話すが「僕の順位で全英の枠を目指さないプロはいない。いいスイングをすればスコアがついてくることを信じている」。２月にシドニーで戦った全英の最終予選は４１位と無残に散った。着実に歩み続ける１６歳に、ゴルフの神様はほほ笑むか。

　◆全英オープン出場権　日本ツアー選手では、今年の第２１週（マンシングウェアＫＳＢカップ）終了時の世界ランク５０位以内（片山晋呉、谷口徹）、昨年のアジアンツアー賞金ランク１位（Ｗ・リャン）、昨年の豪州ツアー賞金ランク上位２人（Ｃ・パリー、Ｄ・スメイル）、昨年の賞金ランク上位２人（谷口、片山を除くＢ・ジョーンズ、谷原秀人）の資格で、すでに７人が獲得。残る資格は今大会の上位４人と、日本プロから今大会を含めた４試合の獲得賞金ランク上位２人。

参照元：スポーツ報知